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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第169話】
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よ?」

「うっ……。 あ、あの頃はまだ殿方は情けないものだと思いになりましたから……。 き、兄妹揃って意地悪ですわ……。 もぅ……」

「悪い悪い、まあ何にしてもあそこからセシリアの考え方が変わったよな? ……まあ情けないって言えば今も俺は情けないかもしれないが――」


 そう言葉を続けると、セシリアが首を横に振りながら。


「そ、そんな事無いですわよ!? ヒルトさんは情けなくなんてありませんわ」

「……そうか? まあセシリアがそう言うならそうかもな。 ……開けていいか?」

「も、勿論ですわ。 ヒルトさんの為に用意したのですから遠慮なく開けてくださいな♪」

 笑顔で応えたセシリアを見、包装紙に包まれた箱を綺麗に開けていく。

 包んでいた包装紙を出来るだけ破けないように気を使いながら――。

 そして、包装紙を畳み、箱を開けると――。


「……これは、ティーセットか?」

「えぇ。 急いで御用意したのでお気に召さないかもしれませんが――『エインズレイ』の高級セットですわ」

「エインズレイって、確か古くからイギリス王家御用達で、故ダイアナ妃の御成婚時に陶器の花――陶花を贈ったっていう」

「え、えぇそうですわ。 ……ヒルトさん、詳しいのですね?」

「……まぁな、代表作が『オーチャードゴールド』、『エリザベスローズ』だったかな? ……しかし、こんな高級な物を誕生日に貰うと萎縮するな……」


「わ、わたくしが贈りたかったのですから気にしないでくださいな。 ……今度、二人で一緒に飲みませんか? わたくしがお淹れしますので」

「そうだな。 紅茶は成樹からしか淹れてもらった事無いしな」



 そう言い、開けた蓋を閉じるととりあえず美冬のベッドに箱を置く。


「何にしてもさセシリア。 ありがとうな? 大切に使わせてもらうよ」

「えぇ。 じ、次回は貴方が喜ぶような物を御用意致しますので言ってくださいまし」


 朱色に染め上げた顔で見つめるセシリアに、若干気恥ずかしくなった俺は頬を指でかきながら――。


「み、未来や美冬にもエインズレイの陶器を贈ったのか?」

「そうだよ。 流石にお兄ちゃんと同じように萎縮しちゃったけどセシリアが贈ってくれたし」

「うん。 ……セシリア、ありがとね? 私も大事にするから」

「うふふ。 お友達ではありませんか、遠慮なさらずに……ね?」


 二人とも、お金持ちの友達は初めてだからなぁ。

 ……だからといって、セシリアから集るような二人ではないが。

 俺もそうだが、二人も友達同士での金銭問題だけは作らないようにしている。

 ずっと仲良く友達でいたい、この考えは俺も子供の頃から
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