旅立
キャスタの思い
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はブラックナイト隊に捕まることなく無事に皆さんと合流できたのですから」
「仰るとおりです。疑って申し訳ありませんでした」
頭を下げるキャスタにナイルは
「まぁ誰が聞いてもそう思うさ。俺だってこの目で見るまでは疑っちまったしな。」
「私の話を信じてくれなかったのですか?」
ナターシャは泣く素振りを見せてナイルを責める。
「あ、いや、そういう訳では・・・・」
慌てるナイルを見て笑うナターシャにハスランが あまり苛めてやらないでくださいよ と諫めていた。
キャスタの実力ならブラックナイト隊をひとりで相手にしても負けることはないだろう。
今のアレンとの実力差はかなりのものだ。
しかしアレンは尊敬に値する人物であるとキャスタは思う。
己より強大な敵を前にしてもナイトとしての本分を全うしたのだ。
しかも生き残った結果主君の身と心を守ったことになる。
これがどれだけ困難なことか。
自分に務まるだろうか。
キャスタはハイネの景色を眺めながらそんなことを考えていた。
少しずつ前進しようやくハイネの街に到着した一行はすぐさま宿を取り休息へと入った。
ナターシャとキャスタは個室にし男二人は同室としようとしたが
「女性と男性で分けましょう」
とナターシャが言い出し
キャスタは同室など畏れ多いと拒否を示すも
ハスランは安全のためにキャスタと同室のほうがいいかと納得している。
ナイルといえば王族が同室など許しませんと譲らない。
結局女性部屋、男性部屋の二部屋で決着がついた。
「一人は寂しいのです。ダメですか?」
と上目遣いに至近距離で言われるとナイルの城は一瞬で崩壊したのだ。
ナターシャ強し、である。
同室となったキャスタは部屋の隅で直立不動のまま動く気配はない。
ナターシャは上着を脱ぎ 水浴びしてきます と備え付けの水浴び場に入っていった。
ほっと胸を撫で下ろしたキャスタは鎧を脱ぎ隅に寄せてベッドに腰を降ろす。
「思ったとおりスタイルいいですね。うらやましぃ。」
振り返るとナターシャはドアの隙間からこちらを覗いておりニヤニヤしている。
キャスタが顔を真っ赤にし固まったのを見て満足したのかナターシャは うんうん と頷きドアを閉めた。
キャスタは真面目である。
かなり極度の。
ベッドの上で精神を統一させ猛省するキャスタ。
宿に入って油断してしまった
これが刺客であれば姫様の身も危なかった
ハスラン殿は自分がいれば安全だと仰ってくれたではないか
目を閉じ瞑想しているがそのまま寝てしまい水浴びを終えたナターシャが毛布をかけてあげるのだった。
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