暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五五幕 「サムライガールの恋路の行方?」
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前回のあらすじ:渡る世間は闇ばかり
――しまった、油断した!!
その言葉しか出てこなかった。試合中の迂闊な一言。負けたことで少し気が沈んでいた事。試合が終わったことで心に生まれた隙。そして見通しの甘さ。全てが絡み合って今という状況を作り出している。
もはや逃げ道はない。箒は、どうやら今回も乙女たちの追及から逃れることが出来ないようだ。
「『・・・この蹴りだけは『あの人』直伝の特別だぁぁぁ!!』の『あの人』っていったい誰のことだと思いますぅ?ね、奥さん?」
「そりゃもう一人しかいないと思いますわよぉ?ね、奥さん?」
「もういい・・・話す・・・話すから人の台詞を繰り返すのを止めてくれぇ・・・」
「「「どうぞどうぞ」」」
「何なんだお前たちのノリは!」
思わず怒鳴ってしまうが色恋沙汰に飢える乙女たちにはなんの効果も無かったようだ。
・・・もうずいぶん前の事だから忘れているだろうと思っていたが、彼女たちのピンクの脳細胞は箒の「想い人」の存在をきっちり覚えていたようで。しかもお得意の想像力で箒が試合中に言った「あの人」が「想い人」と同一人物であることを確信している模様。
「あー・・・前は何所まで話したかな?」
「彼氏さんと稽古した所まで!」
「その時はまだ彼氏ではない!!・・・あっ」
しまった。墓穴を掘った!こんな言い方をしたら・・・
「その時は・・・ねぇ(ニヤニヤ)」
「その時はまだ・・・かぁ(ニヨニヨ)」
「まぁその辺も含めてじっくりねっぷり話を聞こうじゃないの〜♪」
「おのれぇ・・・!」
顔を
茹蛸
(
ゆでだこ
)
のように真っ赤にしながらも、もう逃げられないと悟っている箒は再び過去の話――前にも言ったが個人的には黒歴史モノの――をぼかしながら話す羽目になった。
〜箒の過去、その二〜
先輩はあろうことか剣道部員ではなく空手部の部員だった。しかも武器は無くていいとまで宣言し、丸腰で私に勝負を申し込んだ。
――素人め。どうせ下らん格闘モノの少年誌でも読んで“素手でも剣に勝てる”等とバカげたことを考えているのだろう・・・その愚かさを貴様の身に刻み込んでやる!
冷静に考えれば防具の一つもしていない相手に全力で斬りかかるなど鬼畜生の所業であるが、生憎当時の箒はそれに近い存在であった。箒はその先輩を叩きのめそうと竹刀を振りかぶり―――ただの一撃も入れられずに惨敗した。
「馬鹿な!こ、こんな馬鹿な事が・・・!?」
「動きはいい。だけど剣が感情に支配され過ぎて先読みしやすくなってる・・・目が曇ってるよ」
ぜぇぜぇと肩で息をしながら膝をつく箒とは対照的に、その先輩は運動による汗こそかいているものの怪我も息切れもない。そう、箒の剣は唯の一撃もその男には当たらなかったの
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