暁 〜小説投稿サイト〜
【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五四幕 「ミサイルの数を数えろ」
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能がね、残念ながらあったんですよ。ちょっと鍛えてやりゃあ根を上げるかと思ったら、逆にこっちが先に音をあげちまうなんてなぁ・・・でも、やっぱり子供の成長はどんな形でも嬉しいもんです。子供を持てば誰だってわかります」
「・・・・・・」
「ええ、ええ。分かってましたよ。こんな世界で生きてりゃあ、今生の別れ位良くあることでさぁ。もう私と同期の奴なんて指で数えるくらいしか残っちゃいないしねぇ」

口元からは、もうとっくに笑顔は消えていた。かといって私情に呑まれた父親(おや)の顔もしていない。そこにいるのは更識の顔だ。たとえ掌に血が滲むほど爪を食いこませていようが、顔は確かに任務を遂行する人間のそれになっていた。
息子のそれはそれ、任務は任務、たとえ体がどれだけ熱を帯びていようともそこは履き違えない。そも、それが出来ねば彼は今まで生き残ってはいなかったろう。向上に入り込む準備が完了したのを確認しつつ、ジョウにしか聞こえないほど小さな声でぼそりと吐き出す。

「この親不孝もんが・・・親父より先にくたばってやがったら、てめぇの墓石に線香なんざ置いてやらねぇぞ」
(・・・遠回しに「間違ってもお前は死ぬな」って言われてるような気がするね、どうも)


世界の目がIS学園に集中する中、東南アジアの島国で静かな静かな戦いが幕を上げる。
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