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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五四幕 「ミサイルの数を数えろ」
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部のお手伝いだ。このIS学園の一大イベントによって学園を離れるわけにはいかなくなった楯無が裏の手伝いが出来るだけの実力を持ち、尚且つトーナメントに参加していないジョウに頼んだ仕事。学生でありながら3次移行事件のせいでIS学園の所属となったジョウ以外には頼めない内容だ。
無論ISがある以上彼自身だけに限定すれば危険性は限りなく薄い。いくらこの工場の正体が分からないとはいえ現代最強の兵器であるISをどうこうできるほどの代物があるとは考えにくい。そう言った部分も配慮してのお使いだ。買ってくるのは情報とジョウ自身の経験というわけである。

「では手はず通りに我々の後方へ」
「では・・・夏黄櫨、頭部センサーと非固定浮遊部位を部分展開。潜伏モード、オン。光学ステルス稼働開始。ECMレベル最大に設定」

後付装備で即席潜入装備を纏ったジョウが実働部隊の隊長の視界から忽然と消え失せる。これも更識ならではの装備だ。非固定浮遊部位に潜入用のすべての機能を纏めてISに装備させる、楯無も使用している特別品である。皮膜装甲(スキンバリアー)のみを展開し、その内側にいる者の姿を掻き消すよう特殊な処理をISに行なわせるそうだが、詳しい構造は企業秘密だとのこと。ステルスが十全に機能していることを確認した隊長は小さく頷く。

「以降は専用回線のみで通信を行う、オーバー」
「了解。以降はこちらの指示、若しくは緊急時の独自判断で行動してください、アウト・・・さて、ここから先は単なる独り言です」

後方に待機していた別の工作員にアイコンタクトを送り所定の位置に移動する。この工場の従業員はすべて現地の人間であり本社の正規雇用は一人もいない。よって「本社から視察に来た」と言えば適当な身分確認さえすればすんなり入れる(無論その身分証明は偽物だが)。正面から堂々と入る視察組、セキュリティを掻い潜る潜入組、外で待機しつつ監視を続行する監視組の3つのうち、ジョウは2番目の隊についていくこととなっている。

上の目の前にいる指揮隊長も2番目であり、以降は先ほど言った通り不測の事態ない限りジョウは彼の指揮下に入る。隊長は抑揚のない声で喋りだす。それは他人から見れば文字通り独り言にしか見えないし聞こえない。

「ここに潜入したのは私の義理の息子でしてね・・・ええ、こんな世界に生きていても子供って奴は欲しくなるんですよ。聞き分けのいい子でねぇ・・・あまりにいい子だからついこっちの仕事を口走ったら「俺も親父と一緒に働く!!」ってね・・・あんときゃあ困ったなぁ」

懐かしそうに、そして寂しそうに小さく笑う。その目尻や口元の(しわ)が、隊長が今まで生きてきた年月を感じさせた。危険と隣り合わせの仕事をやっていれば自分が生きた証の一つくらい残したくなるのだろう、とジョウは思った。

「才
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