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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五四幕 「ミサイルの数を数えろ」
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一息吸い込むと同時にフェンスを一っ跳びで乗り越える。海沿いの山に隠れるようひっそりと建てられた施設の全容が見えてきた。ここが3件目・・・一番きな臭い場所だ。
ここは日本から離れたフィリピンにある半導体製造工場・・・ということに名目上はなっている。だが実際にはそうではない。
この工場は元締会社が経営破綻を起こした関係で半年前に別の会社に売却されている。・・・そして問題はその“別の会社”・・・結論から言うとそこは実体のないダミー会社だった。にも拘らずこの工場はずっと稼働を続けている。表向きは確かに名目通り半導体を製造・出荷しているのだが、調べてみると仕入れた原材料や部品と商品の量が釣り合っていない、つまりロスが多すぎることが解った。
資金の出所不明。誰が運営しているのかも不明。しかも計算上のロスが多いにもかかわらず工場ではさして多くの廃棄物が出ていない。ここまで来れば、この工場に普通ではない部分があることは理解できるだろう。
「問題はその“普通ではない部分”が何かってことだ・・・来たぜ」
「・・・残間承章様、お待ちしておりました」
「おう、待たせて悪かったな」
そんな怪しさ満点の施設を発見したとなれば、当然見つけた側は指を咥えて見ている訳にもいかなくなる。ジョウが現在面会しているのは学園の暗部である更識家の実働部隊、その隊長だ。
工場一つ調べるくらいなら現地の警察にでも圧力をかけて捜索してもらえばいい。だがもしもこの施設に警察では手が負えない存在が隠れていたら、それは国家の安全保障にかかわる大事に発展しかねない。下手をすれば送り込んだ人間が帰ってこないなんてことも有りうる。
犠牲を最小限に抑え、事態を収拾し、なおかつその情報を外に漏らさないためには、この島国の警察や視察官では不十分である。だからこそ彼らが悟られぬよう総勢60名がこの工場を包囲している。そしてジョウはこの調査に確実を期すための隠し札、というわけだ。
本来IS学園が海外の怪しい施設などという“ありふれたもの”にこれほどの人数を投入することなど無い。せいぜい更識の息がかかった諜報員を1,2人送り込む程度が普通だ。ISを導入するなどあり得ない。ではなぜISを―――それも本来守るべき対象であるジョウを用心棒の様に連れてまでしてここを調べるのか。
その答えは単純。この工場の謎を探ろうと送り込まれた更識の諜報員が行方をくらませたからだ。
更識の諜報員はその末端に至るまでが世界最高峰の練度と実力を誇る。そんな潜入、諜報のプロ中のプロが行方をくらませた理由は2つに1つ。捕まったか――始末されたか、だ。裏切りは絶対にありえない。そんな二心のある人間がやっていけるほど更識は生易しくない。だからこそ、この警戒だ。
これがジョウの“お使い”・・・正確には、暗
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