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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
役者は踊る
第五四幕 「ミサイルの数を数えろ」
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らジョウは小一時間シャルのミサイルに捧げる熱い思いを延々と聞かされることになった。
シャルは幼い頃「超時空妖精マクベス」という日本アニメを見て育った。芸術の国として名高いかの国ではジャパニメーションは大人気で、特に彼女が見ていたアニメは世界的にもメジャーな部類に入る。そしてその作品の目玉と言える要素の一つが「ミサイル」だった。アニメ内に登場する
戦妖精
(
バルキュリア
)
が戦闘シーンで次々と発射する“マジックミサイル”というミサイルたちが画面内を縦横無尽に飛び交い敵を追い詰めるシーンはアニメ界に衝撃を与え、後のアニメにおける空中戦の表現に多大な影響を及ぼした。
当時幼かったシャルはミサイルに惚れ込み、ミサイル目当てでプラモや軍事関係の雑誌を買っていた時期まであったそうだ。そしてそれと時期を同じくして“IS”が世に華々しく登場し、『リアルマクベスの時代キタコレ!』と本気で期待した彼女だったが・・・
ミサイルは1発1発のコストが高い。
銃と違って誘爆の可能性がある。
アリーナという限定した空間の中ではアドバンテージやメリットが少ない。
小型化にコストがかかる上に武装として装備・内蔵させ難い。
相対速度が速すぎて信管が作動しません!
そして優勝者の織斑千冬が大会内でミサイルを叩き切っていた。
という不遇としか言いようのない条件が重なり、結果としてIS界ではミサイルはものの見事に「マイナー武器」の烙印を押されてしまった。シャルはそんな悲しい現実にひどく落胆し、いつか必ずミサイルの素晴らしさを世界に伝えようと心に決めたのだった。
『つまりシャルちゃんは幼い頃の憧れを追いかける余りミサイル狂になっちゃったってワケ?』
「俺はそうとしか思えんな」
『・・・それだけのためにミサイルが好きな妹を洗脳された私の怒りはシャルちゃんにぶつけて良い?良いよね?』
「必要ねぇだろ。シャルはちょっとおイタが過ぎたが、あいつにお仕置きするのは適任がいるさ、なぁ?」
『ユウ君と鈴ちゃんのこと?・・・言っておくけどシャルちゃんもうちの簪ちゃんも生半可な腕じゃないわよ。勝率はどう高く見積もっても5割以上には・・・』
「いや、シャルは負けるよ。賭けてもいい」
その言葉に釈然としていない楯無だったが、ジョウには確信があった。シャルはパートナーを洗脳という形で無理やり自分に合わせた。対する二人は共通の目的のために並び立っている。
意思を伴わない戦いは必ず隙を生む。たとえ腕前が拮抗していようと最後にモノを言うのは操縦者の意志。瞳の曇ったシャルと意思を歪められた簪の二人では、ユウと鈴の一つになった意志は倒せない。
『それはそうと、“お使い”はどう?』
「ん、1件目は売り切れで2件目は狙いの品が置いてなかったよ。3件目に期待するかね・・・っと!」
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