第五章
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「いい学校だな」
「わかるんですか?」
「綺麗だからな」
「いえ、それさっき俺が言いましたけど」
「そういう意味じゃない」
「そうなんですか」
「わからないか。この綺麗な校舎の中が」
「ええと」
そう言われた本郷はあらためて校舎を眺めた。
「ゴミ一つないですね」
「そういうことだ」
役は言った。
「綺麗だな」
「俺の学校とは大違いですね」
「君の学生時代はかなりワイルドなものだったようだな」
「まあおしとやかじゃなかったですね」
「ふむ」
「こんな綺麗に掃除なんていていないですし。いい加減なものでしたよ」
「こうしたところに学校の品性が出るからな」
「それじゃあこの学校はかなり上品なんですね」
「そう思う。それでは行くか」
「はい」
二人はそのまま校舎の中を進んでいった。そして学園の校長と話をすることになった。
「あの娘について、ですか」
校長は穏やかな風貌の初老の紳士だった。特におかしなところは見られない。
「探偵さん達でしたよね」
「はい」
本郷がそれに答えた。
「警察に捜査の協力を依頼されまして」
実際には高額で解決を依頼されたのだがそれは言わない。
「それで来ました」
「左様ですか」
校長はそこまで聞いてまずは頷いた。
「ここまでおいで頂いたことは有難いのですが」
「お話することはないと」
「申し訳ないですが」
校長は本当に申し訳なさそうに述べた。そこから彼が少なくとも不誠実な人物ではないのはわかった。
「警察にお話した通りです。至って真面目でよい娘でした」
「そうですか」
「私共は何も。部活動も熱心でしたし」
「部活動!?」
「はい、華道部です」
彼は言った。
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