第二十二話 事情聴取とゲコ太ストラップ
[5/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
はずだった台詞をここで聞くことが出来たので、俺としては満足である。
「あは……あははは……」
「はぁー、まったく」
さっきまではまるで締め切りを過ぎて徹夜で書き上げた作家みたいな表情だった御坂さんが、いきなり元気を取り戻したのを見て佐天さんが乾いた笑い声を上げ、白井さんは外国人のように肩をすくめる。
「ま……まぁ、元気が出たなら何より」
さすがに俺も御坂さんの急変っぷりには圧倒されてしまった。
御坂さんが元気を取り戻し、もう少し遊ぼうかと話していると、黄泉川先生から完全下校時間が近いと言われたので、今日はもう帰ることになった。
「それじゃあ、またねー」
途中までは全員一緒に歩いていたのだが、常盤台の寮は方向が違うので常盤台組と分かれて歩き出す。レベルの違いで多少離れた場所にあるものの、柵川の寮は同じ方向なので初春さんと佐天さんも一緒である。
「凄かったですねー」
「そうだねー」
初春さんの言葉に佐天さんもうなずく。恐らく御坂さんのレールガンのことを言っているのだろう。
「真横で見てたんだけど、衝撃波が凄かったよ」
「確かに凄かったねー」
「私もそんな近くで見てみたかったです」
間近で見た俺に初春さんが羨望の眼差しを向けてくる。確か佐天さんは俺からそれほど離れていなかったので、初春さんよりも近くでレールガンを見ているのだ。
その後も色々な話で盛り上がった。御坂さんのゲコ太好きだったり、白井さんの異常行動だったり、俺のシステムスキャン結果だったり……。
寮の配置は学校に近いほうからレベルの高い人が入れるので、街側から歩くと俺の寮が一番遠い。なので、最初に佐天さん、そして初春さんと別れた後は俺一人で歩くことになる。
(シェーラ、御坂さんの負の感情はどうだった?)
俺はふとゲコ太ストラップを貰えなかった時の御坂さんを思い出してシェーラに聞いてみる。あの時の御坂さんの負の感情は、俺だけでなく初春さんにまで感じ取ることが出来ていたのだから相当なものだったに違いない。
(はい、かなり強烈でした。ああいうタイプの負の感情はここでは珍しいです)
(なるほど)
どうやらゲコ太ストラップを貰えなかった時の御坂さんの負の感情と、能力開発関係で出てくる負の感情では系統が違うらしい。
(あれほどの負の感情ならば確かに魔族から見ると魅力的ではあるのですが……、ここでは他にいくらでも負の感情が蔓延してますから……、もったいないです)
(もったいない……か。まぁ、もし御坂さんの負の感情が今回と全然違う状態になったら教えてくれ)
(はい、かしこまりました)
恐らく妹達編での御坂さんの負の感
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ