暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
ALO
〜妖精郷と魔法の歌劇〜
落下予測
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リトの顔がにわかに強張った。
「本当か!?」
「間違いありません!ママのプレイヤーIDと、マイのものもあります……。けど………」
「けど?」
「なんだか変です。ママのIDと同座標上に、もう一つのIDがあるんです」
ん?とレンはおざなりに耳を傾けていたユイの言葉に眉をひそめた。
もう一つのIDだって?
「ユイちゃん、そのIDって?」
レンの問いに、小妖精は困ったように小首を傾げる。
「判りません。単なるオブジェクトIDなのか、それともプレイヤーなのか。それらを識別する確認コードが付与されていないんです」
「付与されてない?」
謎は深まる一方。
さらに、それが自分達に見えていない、ユイだけの知覚領域の中で見えているとなると、不可解さ、そして不気味さは増していく一方だった。
「そんな事どうでもいい。早く行こうぜ!!」
グッ!と足に力を入れるキリトに、カグラの涼やかな───冷ややかな声が掛けられる。
「どうしようというのですか?」
「ど、どうって」
「雲より上は、今は不可侵領域となっています。私達の翅では、その先へ行くことはできません」
ギリ、とキリトの歯が鳴る。
砕かんばかりに噛み締められている。
「それでも、心意の力なら……」
それでも、何とか平静を装って吐き出された言葉を制したのは、クーを撫でていたレンだった。
「無理だよ。キリトにーちゃんの心意強度では、あの領域結界は破れない」
でも!とキリトが反論の言葉を叫ぼうとしたその時、ユイが再度の声を上げた。
「何か落下してきます!」
全員が、上を向いた。
相変わらず、天空には壁のようにどこまでも果てしなく屹立している世界樹の幹と、どこまでも高い青空があった。
朝陽が昇り切ったばかりの朝の空、そのずっと遠く。視力が許す解像度ギリギリのところから、何か陽光を反射する物が落ちてきている。
あれは?という呟きがリーファの口から漏れるより先に、ドン!という地響きのような音がアルンの街全体を揺らした。
舗装道路に小さなクレーターを作りながら急加速垂直
上昇
(
ズーム
)
を開始したキリトは、見る間にその落下物と同座標上にいた。
数瞬遅れ、レンとカグラ、リーファも慌てて追いかける。
宙空に浮かび止っているキリトにやっと追いついたときには、彼の手には────
「……カード…………?」
リーファがポツリと呟いた。
確かにそれは、小さな長方形のカード型オブジェクトだった。透き通る銀色の表面には、文字や装飾の類は何もない。
キリトはちらりとリーファの顔を見た。
「リーファ、これ、何だかわかる……?」
「ううん……こんなアイテ
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