DAO:ジ・アリス・レプリカ〜神々の饗宴〜
第九話
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苦笑に、コクトはふん、と言って、今度はセモンに目を移す。
「で、今回やっとお前が来たわけだな、清文」
「え……?俺を知ってるんですか?」
「当然だろう」
よくよく見れば、コクトの顔はどこかで見たことが有るような気がする。
ジーっとコクトを見つめるセモン。そしてやっと、その顔に思い当たる人物を見つけた。
「あ――――!!黒兄!?」
「やっと気が付いたか」
雪村黒覇。姉の雪村白羽と共に、小波の手伝いをしていた、元《ディアボロ》のメンバーだ。
「そうかー黒兄だったのか〜。どーりで強いわけだ」
もともと黒覇……コクトは、2Dゲームが異様に強かった。《抜刀術》系のスキルが使えるゲームでは、高速で抜刀をして一瞬にして清文を打ち負かしたものだ。
「白姉は元気か?」
「ああ。相変わらずの世話焼きだがな、あのバカ姉は」
はぁ〜っとため息をつくコクト。セモンは懐かしい日々を思い出した。そうだ。あのころから、この姉弟は仲の良いけんかをしていた。小波が「俺達も仲のいい喧嘩して〜」と愚痴っていたのを覚えている。
「これで全員が全員を知りましたね。それでは、明日にむけて休みましょうか」
ハクガがにこやかに言う。
「賛成だ」
やっとセリフが回ってきたリーリュウが右手を挙げて賛成する。
セモンは昨日の様にブランケットを取り出して、くるまった。コクトだけがその場で座禅的な物を組み、目を閉じた。
今日は、悪い夢は見なさそうだった。
*
事件はその日の丑三つ時に起きた。
セモンはつんつん、と肩をたたかれた。目をあけると、カズがにやにや顔で横にいる。
この顔は。旅行とかで真夜中にいたずらしようとする奴の顔だ……!!つい先日、アスナ達が旅行に出かけている反面でキリト達と旅行に出かけたセモンは、その日の夜のキリトの顔を思い出した。そして、その後のハザードの怒りようを。
案の定、カズは肝を冷やすようなことを言い出した。
「……なぁ、師匠のウサ耳、気にならないか?」
「え……?まぁ……」
ちらりと見ると、座りながらすうすうと寝息を立てるコクトの頭で、ウサ耳だけがなぜかゆらゆら揺れていた。
気になる。非常に気になる。
「だよな。俺も気になってんだ。……さわりに行かねぇ?」
「え?……だ、だめだろ……」
「大丈夫だって。俺達が近づいたらたぶん起きるからさ、ダメもとで」
カズに押し切られる形で、セモンはブランケットから抜け出すと、コクトに近づいた。
「あれ?おきねぇ。珍しい……まぁいいや」
カズが
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