隣神おりますかー?
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っている私、しゃがんでいるクーちゃんである。上から視線で下から目線である。屈んでいる隙間が空いた制服の胸元に視線が行くのは自然であろうそうであろう。ジリジリと、猫に近づく風を装って近くへ。狙撃ポイントへ移動である。あとちょっと―――
――-1
「……」
ワタシワルクナイヨ?
心の中で軽く舌打ちし、諦めて私もしゃがみ猫を撫でる。ツナの匂いでもついているのか指を齧られ舐められる。ザラザラしてて痛い。
もっと撫でろとばかりに尻尾をゆったりと振る猫のお腹を掻きながら存分にモフモフを味わう。うちのニャーには劣るがいい毛並みではないか。うりうり。
「素敵デス。こんな時間、ワタシ大好きデス」
「いいよねー何かさ。穏やかっていうか」
肉球をぷねりながら私は答える。それにしてもお腹を晒すなどこの猫野生はどこにったのだろう。お前生きていけるのかと喉を撫でてやる。
「カナメには感謝してマス。友だちとヨリ道って、憧れてました」
そう言ってクーちゃんは楽しげに微笑む。うむ、可愛い。
クーちゃんは小さな頃に親の都合で日本に来たらしい。母方が日系ハーフらしくクーちゃんにも四分の一日本人の血が流れているらしい。小さな頃から日本にいるから多少カタコトな点はあるが日本語はしゃべれる。だが容姿の為か余り仲の良い友達が出来なかったという。まあ、敷居が高いところはあるだろう。
かく言う私もクーちゃんが日本語をこのレベルで喋れなかったらそこまで仲良くなっていなかっただろう。生憎日本語以外は諦めているのだ私は。
そんなせいかクーちゃんは遊びに誘うと楽しそうに付いてくる。ご飯食べようと誘うと笑みを浮かべる。家に誘うとホイホイついてくる。宿題見せてというと快く見せて……いやこれは何か違うか。
私が悪堕ちしたらクーちゃんも悪堕ちするんだろうなーと思うと気軽に駄目になれないのが困った点ではある。
猫はクーちゃんの十字架に猫パンチを繰り出す。ワンツーワンツー。だが傷をつけるわけにもいかないので途中で私の手でガードする。不満そうな猫が動けぬよう抱き上げると腕の中で暴れだす。爪が痛くなって離すと一目散に猫は逃げていった。
「ああ……むぅ」
まだ撫でていたかったのかクーちゃんは不満そうである。今度私の家に連れ込んだ時ニャーを触らせることで満足いただくとしよう。
歩きを再開して帰り道を辿る。道中にある店の中からテレビの音が聞こえてくる。
『――の地域紛争にで、過激派による自爆テロが敢行されました。少なくとも三人が死亡、重軽傷者が15人にのぼる模様です。自爆直前の被告の言動からこれは神託によるものと――』
「……平和が一番デス」
「だね」
辛そうに言うクーちゃんに答え、物騒だなぁと思いつつ私はそのま
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