第二章 [ 神 鳴 ]
二十話 闇の邂逅
[1/7]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
ある日妖怪の討伐依頼を受け仕事を終わらせた帰り道、丁度村の近くに来た僕は挨拶がてらに寄ってみる事にした。
村の入り口付近に降り立ち、とりあえず村長の所に行こうとした時、
「あれ?七枷様。おぉ丁度良い所に!」
そう声を掛けられる。声の主は司郎だった。
「ん?どうしたの、何かあったの?」
「いえ実はご相談がございまして、っと言いますか頼み事をしたいという者がいるんです」
どうやら司郎本人ではなく別に人物の用件らしい。司郎は「ちょっと待っていてください」と言って村の中に走っていく。暫くすると少し小柄な少女と一緒に戻ってきた。
青い髪をツインテールにした水色の瞳をもつ活発そうな女の子。服は水色の長袖、膝位までのスカート。頭には緑色の帽子を被っている。
少女は何やら緊張した面持ちで僕の前にやってくる。それにこの感じ、この子妖怪の様だ。
この時代、人里に妖怪が居るのはあまり珍しくない。人間と共存する妖怪は少ないが互いに折り合いをつけて生活を送る者もいる。まぁそんな妖怪は攻撃的な他の妖怪から狙われたりもするらしい。
「えええーとおおお!おおお目目がはつつ初詣でですす!にとりがでしておねねがいいが河城ひゅいですす!」
突然目の前の少女からよく解らない言葉の羅列が飛び出した。もしかして<お目目が初詣です→お初に御目にかかります>と言いたかったのだろうか?後はちょっと解らないな。
「えとえおとえおと…」
「にとり、とりあえず落ち着きなよ」
未だに混乱?している少女に司郎が声をかけた。
「すみません七枷様、どうやら緊張しているようで」
「アハハハッ!いいよ気にしてないし。それから君、無理に敬語を使わなくてもいいんだよ」
僕の言葉を聞いて少女は遠慮がちに、
「…いいのかい?だったら改めて、わたしは『河城 にとり(かわしろ にとり)』って言うんだ。種族は河童だよ」
「じゃぁこっちも。僕は七枷虚空だよ、よろしくにとり」
にとりの手を取り握手を交わす。
「えーと実は貴方にお願いがあるんだよ。ある妖怪を助けてやってもらいたいんだ」
にとりが言うには、この辺りを統括している妖怪が違う縄張りの妖怪達に狙われているらしい。その妖怪は力の弱い妖怪達には手を出さず、逆に襲ってくる妖怪から守ってくれたりするこの辺りでは珍しい部類の妖怪だと言う。
それに加えて数年前に僕がここにやって来て、ここを拠点に妖怪討伐をしていた事でこの辺りはかなりの安全圏になっていたのだそうだ。
まぁそのボス妖怪?からしてみれば人間に守られているみたいで面白くなかったであろう。けど一年位前にその妖怪が何者かと戦って負けた様で、その妖怪に恨みを持っている奴や縄張り狙いの奴が頻繁に襲い掛
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ