臨海学校 後編
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隣のシャルロットが肩を叩いて聞いてくるものの、響の返事は空返事だ。すると、
「で、では私は他の先生にも伝えてきます!」
全てを伝え終えたのか、真耶が別のクラスの教員のもとへ駆けていった。
「全員注目!!」
千冬の凛とした声に、その場にいた全員が背筋を伸ばす。
「現時刻よりIS学園教員は特別任務に入る。よって今日の試験運用は中止とする! 各自、旅館に戻り、連絡があるまで自室待機!!」
突然の運用中止にざわつく一同だが、さらにそこで千冬が追い討ちをかける。
「いいから黙ってとっとと戻れ!! 以後、許可なく室外に出たものは容赦なく拘束する!! いいな!!」
千冬の一喝に、全員が準備中だった機材を片付けていく。接続仕掛けだったコンソールやISを待機状態に戻し台車で運んでいく。
無論専用機持ちの五人も片づけを開始している。ただし、響は嫌な予感がしていた。
「それと、専用機持ちは全員集合だ。織斑、オルコット、デュノア、ボーデヴィッヒ、凰、鳴雨!そして――篠ノ之。お前も来い」
「はい!」
やたらと元気よく返事をした箒の顔はやる気に満ち溢れていた。
だが響はというと、
「うへぇ〜、めんどくせー……」
全然やる気になっていなかった。
……嫌な予感はしてたけどまさかどんぴしゃだとは思わなかったぜちくしょう。
大きなため息をつきながら響は残りの機材を片し終えた。
花月壮の宴会場に儲けられた緊急の作戦会議室に、千冬と真耶、そして響を含めた六人の専用機持ち達が顔をそろえていた。
薄暗い部屋の中央には巨大な空間投影ディスプレイが淡く光を放っている。千冬はその前に立つと、
「ではこれより現状の説明を開始する」
千冬が冷静な口調で告げると同時にディスプレイの中に次々と情報が展開されていく。響はその様を頬杖をつきながら眺めている。
他の専用機持ち達は皆、背筋をピンと伸ばした状態で正座をしているのだが、響だけは胡座をかいてだらりとしている。
……ねむ、こんな薄暗い部屋で難しい話されちゃ眠気がやばいっての。
響は千冬が現在の状況を説明している中、時折大あくびをしながらじっと眺めていた。
「鳴雨!! 聞いているのか!?」
その姿を確認した千冬が響を恫喝するが響はそれに臆することなく、けだるそうに答えた。
「そんなに怒鳴らなくても聞いてますよー。アレでしょ? ハワイ沖で試験運用? してたえーっとなんだっけ……ああ、そうそう『銀の福音』でしたっけ? それが暴走してこの辺りの海域を通過するからそれを止めろってことでしょ?」
響は一見聞いていないかと思いきや
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