臨海学校 後編
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うとするものの、今度は響のアイアンクローが決まった。
先ほど動揺すぐに抜け出すのかと思いきや、
「あだだだだだだだ!!!??? ちょ、ちょーっとびっきー!? 前から思ってたんだけど何でびっきーのアイアンクローはこんなに痛いのってやめてー!! 割れる脳が割れるってば!!」
「安心しろー、多分人間の脳はそんなにやわじゃないはずだー」
「そういう問題じゃないたたたたた!!!!????」
響の冷淡な口調は変わらないが、束は本当に痛そうだ。するとそれを見ていた千冬が、
「鳴雨、もう構わん。解放してやれ」
「へーい」
溜息混じりに手を離すと、束は砂浜にうずくまりこめかみの辺りをさする。しかも若干涙目だ。
「おおおおお……、なんという痛み……。いつか束さんの頭はびっきーによって破壊されるんじゃないかと心配になってきたよ」
未だにさする手を休めずに響を見つめる束は悲しげに瞳を潤ませるものの、響は明後日の方向を向いている。
「束、いい加減起き上がって自己紹介でもしろ。生徒が混乱している」
「えー、めんどくさいなぁもう。えーっと、はろー私が天才の束さんです、ハイお終い」
なんとも適当な挨拶だった。
生徒達はこの人物が誰なのかやっと理解したようで、皆ざわつき始めた。何せISを開発した人物が目の前にいるのだ。それで逆に黙っていろと言うほうが難しいだろう。
だが、そんな皆の姿を見かねてか千冬が真耶に声をかける。
「山田先生。すいませんが皆の準備を手伝ってやってください。このままではいつまでたってもはじめられない」
「あ、はい! わかりました!!」
「鳴雨、お前ももう行け」
「へいへい」
響と真耶は皆の元にかけていく。
「よう、準備は順調か? お前ら」
響が行ったのは専用機持ち五人のところだ。
「うん、粗方ね。でも驚いたよ、まさかあの人が篠ノ之博士だなんて」
「まぁ普通は思わないよな……」
シャルロットの隣で準備していた一夏も苦笑いで応じてくる。
「時に一夏、アイツ。結構性格に難ありだろ?」
「気付いたか? ……うーん、まぁそうなんだよな。俺と千冬姉、箒にはあんな感じなんだけどそれ以外の人だと全然違うんだ。だから驚いたぜ、響に対する束さんの態度には」
一夏は心底驚いたような顔をした。それだけあの篠ノ之束という人物は、他者を隔絶してきたのだろう。
「まぁあんなのに好かれても、別にうれしかねーけどな」
響が肩をすくめ鼻で笑った瞬間、
突然大きなおそらく鋼鉄製であろう箱が空から飛来した。
辺りに振動を与え落下した箱は、突然前が開き、その中身をあらわにした。それ
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