臨海学校 後編
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臨海学校2日目、今日は朝から晩までISの各種装備の試験運用、データ取りなどが行われる。専用機持ちは特に大変なのだが、
「ふあ〜、ねみぃ……」
一応専用機持ちである響なのだが、彼女の戦法は殴る蹴るなどの武装を使わない。さらに神炎ノ御手が発動して以降、夜天月を調べた結果。既に夜天月には許容量をフルに使った装備が整っているようなのだ。
そのため新しい武装がインストールできないので、今日も響は暇なのだ。とはいっても、千冬がそんなことを許すはずもなく、
「暇なのであれば他のヤツらを手伝え」
とのことだ。
「相変わらず、めんどくせー人」
響が千冬の方をジト目で見ると、出席簿がすっ飛んできた。
しかし、それに響が当たるわけもなくらくらくと指で挟みとる。
「何か言ったか鳴雨?」
「いえ、何でもありません。とりあえずポンポン出席簿投げない方がいいと思いますよ?」
言いつつ響も出席簿を投げ返す。
「投げるのは貴様だけだ。基本ははたく」
千冬は目を閉じながら飛んでくる出席簿を先ほど響がやったように挟みとると、小さくため息をつく。
「まぁいい、ではこれより班ごとに分かれISの装備試験を行え。各自迅速に行動するように」
千冬が告げると皆がそろって返事をする。
「鳴雨、お前は――」
「他の専用機持ちの奴らの手伝いでしょ? わかってますよ」
響は何を今更というようにため息をつきながら千冬を一瞥する。
「――わかっているならいい。ああ、それと篠ノ之ちょっとこっちに来い」
「はい」
千冬は打鉄のパーツを運んでいる箒を呼び止めた。
「お前は今日から専用――――」
「ちーちゃ〜〜〜ん!!!!」
千冬の言葉を遮るような大声を発しながら砂煙を巻き上げつつ、こちらに接近する人影があった。兎耳を揺らしながらかなりの速さで近づいてくるその人物は、
「……束」
「……ウサギ女」
千冬と響はそろって苦い顔をした。稀代の天才、篠ノ之束はそんなことはまるで考えていないかのような、満面の笑みを携えながら千冬の元に駆けてきた。
「やあやあやあ! 会いたかったよちーちゃん!! さあさあ、ハグをしようじゃないか! 私達の愛を確かめ――ばへっ」
「うるさいぞ束、少し静かにしろ」
テンション高めで千冬にすりよったまではいいものの、千冬から帰って来たのは痛烈なアイアンクローだった。
束はそれから何とか抜け出すと、
「むむっ……。ちーちゃんはしてくれないのかーざーんねん。でもいいもん!! 私はびっきーに慰めてもら――はがぁ!!??」
千冬のアイアンクローから抜け出した束が響の方に向き直り、響を抱きしめよ
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