第一章 護れなかった少年
第十六話 ビーター
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...」
しかし、僕とが両手の微妙な動きで制する、と同時にキリトも横で全く同じことをやっていた。
一瞬目が合い、互いに少し苦笑。
そして......
「「元βテスターだって??俺(僕)をあんな素人連中と同じにしないでもらいたいな(ね)」」
「な、なんだと......?」
そしてキリトが口を開く。
「いいか、よく思い出せよ。SAOのCBTはとんでもない倍率の抽選だったんだぜ。受かった千人のうち、その中に本物のMMOゲーマーが何人いたと思う。ほとんどはレベリングのやり方も知らない初心者だったよ。今のあんたらの方がまだマシさ」
侮蔑極まるキリトの言葉に、43人のプレイヤー達が一斉に黙り込む。
「でも僕らは違う」
吐き捨てるように、僕がキリトの続きを言う。
「僕らはβテスト中に、他の誰も到達できなかった層まで登った。ボスのカタナスキルを知ってたのはずっと上の層でカタナスキルを使うMobと散々戦ってたからだ。他にも色々知ってるよ?アルゴさんなんか目じゃないくらいに」
最後の方はニヤリとしながら言う。
......小学生の頃演劇やってて良かった......。
「......何だよ、それ......」
最初に僕らを元テスターと指弾したE隊の男が掠れ声で言った。
「そんなの......βテスターどころじゃねえじゃんか......もうチートだろ! チーターだろそんなの!!」
周囲から、そうだ、チーターだ、βのチーターだ、という声が幾つも湧き上がる。
それらはやがて混じり、『ビーター』という響きになって僕の耳に届いた。
「『ビーター』か。いい呼び名だな。それ」
キリトがニヤリと笑いながら言う。
そして後に僕が続く。
「そうだ、僕らはビーターだ。これからは元テスター如きとは一緒にしないでね」
ハッと鼻で笑いながら告げる。
そうだ。これでいいんだ。
僕は一人には慣れてるし、虐げられるのも慣れっこだ。
キリトを巻き込んじゃったのは少し心残りだけど。
そして僕はみんなから視線を外し、メニューウィンドウを開き、装備フィギュアに指を走らせた。
そしてついさっきボスからドロップした、『道化師の仮面』を顔に装備する。
どうやらちゃんと目と鼻と口は空いているようだ。
「二層の転移門は俺が有効化しといてやる。この上の出口から主街区までは少し歩くから、ついてくるなら初見のMobに殺される覚悟しとけよ」
「それでは、あなた方が殺されてなければまたの機会に」
そういいながら、優雅に礼をして、キリトについて行く。
仮面から見える視界から、ネオンとエギルさんがジッと見つめてきた。
二人とも何もかもわかってる、と
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