反董卓の章
第3話 『…………では、いよいよだな』
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―― 袁紹 side ――
「お〜ほっほっほっほっ! この袁・本・初が! 何進大将軍様のご無念を晴らしましてよ! お〜ほっほっほっほ!」
「姫ぇ〜、じゃなかった、袁本初様〜!」
「何ですの、猪々子さん。言い直さなくてもよろしくてよ?」
「え? いいんですか? 公路様の部下がいるんですから、あたいなりに気を使ったんですけど」
「ああ、そういえば美羽さんの部下も同行していたのでしたわね。鎧が違うから忘れていましたわ。それにしても、なんであの華琳さんの所の兵に似たようなものをつけているんですの?」
「なんででしょうねぇ? 鎧の間に合わせがなかったんでしょーか?」
「まあ、なんでもいいですわ。それよりも小帝陛下と陳留王様はどうしましたの!? 斗詩さんは、まだ戻られないんですの?」
「そういや遅いですね〜……なにやってんだろ、斗詩のやつ」
「れ、麗羽さまぁ〜! た、大変です〜!」
「遅いですわよ、斗詩さん! 一体、どうしたというのですの!?」
「そ、それが〜逃げた張譲たちが、董卓軍を引き連れて洛陽に向かっているそうです〜」
「ぬわぁんですてぇ!? 張譲側に、董卓がついたというのですの!?」
「そ、そのようです〜……しかも、小帝陛下や陳留王様もご一緒のようで」
「ま、ままままま、まずいですわ! これでは、わたくしたちの方が大罪人になってしまいますわ!」
「ひ、姫ぇ! どうしましょぉ〜」
「とと、とりあえず?に戻り……」
「お待ちください、本初様……今、何もせずに戻られては、全てが水泡に帰します」
「あなたは……」
「あ、最近雇った文官さんですね。確か名前は……」
「顔良様、今は急ぎますので。それよりも、本初様。これは好機です」
「好機? この状況が好機ですって?」
「は。幸い、この宮中には何皇后がおります。太后に自身のお子を呼び戻す文を書かせるのです。その上で、張譲と生き残りの宦官が、お二人を騙して董卓の元に向かわせたとして、董卓に残りの十常侍を殺させるのです」
「そ、それでは、何進大将軍の仇を討ったというのが、董卓になってしまうじゃありませんの!」
「はい。それで董卓は、大虐殺の汚名と洛陽を手中に収めた大罪人となります」
「………………」
「で、でも、董卓が小帝陛下と陳留王を守るためと言ってしまえば……」
「はい。ですので、何皇后を?へ連れ帰るのです。そうすれば小帝陛下は、董卓を認めるわけには行かなくなります」
「………………」
「そ、それって人質じゃ……」
「顔良様。何太后を張譲という魔の手からお救いするためです。何進大将軍を殺したのは紛れも無く十常侍。ここに残れば必ず殺される、そうお伝えするのです。必ずや同行なさるでしょう」
「でも……」
「ここに残れば、殺されるこ
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