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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十八話:思い出の港で船出を待つ
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 港に残れば、ヘンリーと合流できるかもしれないし。

「ピキー!」
『ドーラ!いっしょ!』
「そっか。ありがとう。……ごめんね」
「ピキー!」
『だいじょぶ!いっしょ!』

 追いかけてくるとも限らないのに。
 こんな不公平な状況で、選択させようとするなんて。
 スラリンは優しいから怒ったりなんてしないし、私がモンスター使いなんだから本気でヘンリーのほうを選ぶと思ったわけでも無いけど。

 それでもこんな状況になってから、言い訳みたいに確認するなんて。
 私も、ずるいなあ。

「ピエールは」
「拙者の(あるじ)は、ドーラ様ただ一人。どこまでも、ドーラ様のお心に従います」
「うん。ピエールは、そうだよね。ありがとう」
「礼など。不要にござります」
「ちょっとちょっと!ドーラちゃん!?」

 ピエールに微笑みかける私に、コドランが異議申し立てます。

「なんだよ、ピエールばっかり!おいらだってドーラちゃん一筋なのに!ひどくない!?」
女人(にょにん)と見れば言い寄るお主と、拙者の忠義が(くら)べられる筈も無かろうに」
「なんだとー!?女の子に優しくするのは、男の義務だろ!それとドーラちゃんのこととは、別だし!」

 なんだか言い争いが始まってしまいました。

 そうか、そういう受け取り方になるのか。
 コドランには悪いことをした。

 コドランに向き直って、謝ります。

「ごめんね、コドラン。ピエールには最初に聞いてたけど、コドランは成り行きみたいになってたからさ。ちゃんと聞いて無かったから、もしかしてと思ったの。私を選んでくれて、嬉しいよ。ありがとう」

 ピエールに食ってかかっていたコドランが勢い良くこちらを向き、満面の笑みで答えます。

「そっか!おいらも、ちゃんと言ってなかったもんね!わかってくれたらいーんだ!でも、これからは間違えないでね!」
「うん、わかった」
「ところで」

 コドランが真面目な顔になり、話を戻します。

「ヘンリーはさー……確かに、あの国に要るヤツなのかもしれないけどさー?でも、ドーラちゃんと一緒にいたいんじゃないかなー?おいらたちだって、そうだし」
「……そうかもね」

 どういうつもりでかはっきり確認できてないけど、そうしてくれるつもりではあったんだろうね。
 だから、逃げてきたんだけどね。

「なんで、おいらたちは良くて。ヘンリーは、ダメなの?」
「それは……。……言わないと、ダメ?」
「言いたくないなら、いいけどさー」
「……うん。言いたくない、かな」
「そっかー。うん、ならいいや。ドーラちゃんがそうしたいなら、おいらはもうそれでいーよ。ヘンリーは、可哀想だけど」
「うん。ありがとう、コドラン」


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