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銀河英雄伝説〜生まれ変わりのアレス〜
烈火の意味
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出来るのは一回きりでしょうね」
 ライナが微笑み、アレスが苦く笑んだ。
 確かにあの戦法は一回しか使えない。
 だが。

「別にそれだけが戦いではないさ」
「ええ、そうでしょう。出来ればすぐにでも見たいですが、それは後日の楽しみにしておきます、本日はありがとうございました」
 頭を下げて、ライナは足を進める。
 と、そこで足をとめて、振り返った。

「マクワイルド先輩――一つお聞きしてもよろしいですか?」
「ん?」
「先輩は戦いで恐いと思ったことがありますか?」
「君は怖いと思ったことがない人間の下で戦いたいと思うかい?」

「愚問でしたね。忘れてください」
 アレスの答えに対して、ライナは微笑をすればゆっくりと歩いていく。
 ちょうど、いまだ戦術シミュレーターの機械の外にあるアレスの後輩たちの元へ。
 何も言えない。
 その同期に横にして、ライナは足を止めた。

「グリーンヒル候補生」
「え。なに?」
 名前を呼ばれて、驚くフレデリカにライナは声を続けた。
「今まで私はあなたに対して何も思ったことはありませんでした」

 その、あまりにも冷酷な言葉にフレデリカは眉をひそめる。
 それに対して、ライナは表情を変えることなく、言葉を続けた。
「しかし、いまは少し恨みます。なぜ、あなたがもっと優秀ではなかったのかと」
「そ、それは……」

「そうすれば、私がこのチームにいたかもしれないのにと」
 驚くフレデリカが声を続ける前に、ライナはゆっくりと首を振った。
「冗談です、忘れてください。このチームは良いチームですね――決して、無駄にはなさらないでください。本当に恨みますよ?」
「え、ええ!」

「では、御機嫌よう」
 


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