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ヘタリア大帝国
TURN97 ソープ帝国その六
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「最早ソビエトの冬も恐るに足りません」
「時は来た」 
 ソビエトへの反撃の時がだというのだ。
「ではシベリアに攻め込もう」
「それでは」
 秋山は東郷の言葉に応えた、だが。
 ここでだ、ハルが一同のところに来てこう報告して来た。
「皆さん、一大事です」
「ソビエトがまた攻め込んで来たのですか?」
「いえ、ソープ帝国です」
 この国のことだった。日本に話すのだ。
「あの国から救援の要請が来ています」
「是非助けて欲しいと」
「そういえばあの国は今通信が途絶していますね」
「何とかこの方が日本のソープ大使館まで来られまして」
「おう日本、久し振りだねい」
 トルコが来た、その顔は仮面で見えない。
「他の面々も元気そうだねい」
「お元気そうですね」
 かつて彼と剣を交えたオーストリアが応える。
「交流が途絶えていたのでどうなっていたのかと思っていましたが」
「俺は元気さ、けれどねい」
「宇宙怪獣がですね」
「今あちこちにいて困ってるんでい」
 仮面の奥の目を顰めさせて言う。
「で、中央アジアを制圧したっていうからねい」
「我々に助けて欲しいと」
「そうしてくれるかい?若し何とかしてくれたら枢軸に入らせてもらうぜ」
 そして彼等と共に戦うというのだ。
「そうするからどうでい?」
「帝はこの申し出を受けたいと仰っています」
 ハルが話す、実質的に太平洋諸国即ち枢軸諸国の盟主となっている彼女がそう考えているというのである。
「その様に」
「では決まりですね」
「そうだな」
 ハルのその話を聞いて日本と東郷が顔を見合わせる。
「我々としましては今度は」
「ソープ帝国救援だな」
「帝は困っている人を見捨てることはされません」
 ハルは強い声で言い切る。
「では宜しくお願いします」
「それでは」
「祖国殿、宜しくお願いします」
 ハルは東郷に対して言う。
「長官のお目付けも」
「おや、俺には言葉はなしか」
「貴方程の破廉恥な方にかける言葉はありません」
 ハルはむっとした顔で言い返した。
「この前宮廷に来られた時何をしましたか」
「何?普通にメイドの娘達に声をかけただけだが」
「宮廷の、しかも帝にお仕えする我等を誘惑するなぞ」
「そうしてはいけない決まりがあったのかい?」
「ありません、しかしです」
 それでもだというのだ。
「貴方のその破廉恥さは」
「おやおや、俺は破廉恥だったのか」
「女官長の仰る通りだ」
 山下はハルに同意して東郷に言って来た。
「貴様はあまりにも節操がなさ過ぎる」
「今後その様なことをされたら」
 ハルは強い声で言う。
「容赦しませんよ」
「厳しいなあ、ハルさんは」
「厳しくあって当然です」
 ハルはそれもまたよしとする。

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