第十八章
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れまでになく強かった。
「受けると。その瘴気で死ぬ」
「この刀だって普通のじゃないんですけれどね」
「それでもだ。それに相手は薙刀だ」
「ええ」
「普通にやっても手強い。用心しろよ」
薙刀は女性が扱うものとされている。大奥等ではよく使われていた。それで一見か弱い武器だと思われるがそれはとんでもない間違いである。
それどころか薙刀程恐ろしい武器はないのだ。
まずはリーチが長い。槍に匹敵する。そして斬れ味も鋭い。日本刀よりもいい程だ。そして速さ。振り回すだけで相当な速さになる。突くのも斬るのもいい。だから薙刀を相手にするには相当な覚悟が必要なのだ。本郷も口では軽口を叩いてはいるがそれはよくわかっていた。
「それじゃあ」
「接近戦は避けるか」
「まずは挨拶にね」
今度は手裏剣を出してきた。八方手裏剣である。
「手裏剣か」
鬼もそれに気付いた。
「小柄と同じこと。愚かなことじゃ」
「生憎手裏剣ってのは特別でな」
だが本郷はそう言われても臆してはいなかった。
「小柄みてえに。直線だけじゃねえんだよ」
「ほう」
「それを今。見せてやるぜ」
まずは数個投げた。投げた直後に姿を消す。
「ムッ」
「気をつけな」
鬼が薙刀で最初に投げた手裏剣を払った時に本郷の声がした。
「手裏剣はこうした場所で真価を発揮するんだからな」
今度は横から手裏剣が出て来た。また数個だ。
「横か」
「さて、それはどうかね」
だが声は横からではなかった。上からだった。
「!?」
「言っただろ、手裏剣の動きってな独特だってな」
「妖かしの術を使うておるか」
「違うね」
だが闇の中の本郷の声はそれは否定した。
「これはな、俺のオリジナルなんだよ」
「オリジナルか。また舶来の言葉を」
「あんた、中々古風だね」
「日の本以外から来ておるものは皆舶来よ」
鬼は本郷のその言葉には笑みを作ってみせた。だがその笑みは余裕の笑みであった。本郷の攻撃を前にしても余裕であることの証であった。
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