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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十六話:救国の英雄
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さんにも聞こえるように、声を張り上げます。

「皆も聞け!このヘンリーは、十年前に何者かに命を狙われ、当時の王后陛下、つまりここにおられる太后陛下に逃がされて、命を救われた!邪悪な手の者の介入により帰還に十年を要したが、その間に力を蓄え、国王陛下と太后陛下のご計画に則って、我が国を蝕んでいた魔の物の排除に成功した!このヘンリーが生き長らえたのも、魔物に狙われてなおこの国の民の命が守られたのも!全て、太后陛下のご尽力あってのことである!」

 ここで言葉を切って声を落とし、ヘンリーが太后様に向き直ります。

「義母上。私が安易なお願いをしたばかりに、大変な重荷を背負わせてしまいました。どうか、お許しください」

 身を震わせ、声も震わせて、太后様が答えます。

「許すなどと……。許されぬことをしたのは、妾のほうであろうに……。……それに、そのことだけでは無い。妾の手はもう、随分と汚れてしまった……」
「それも、私の罪です。そこまでしても国を守りきらねばならないと、枷を嵌めてしまった。もしも私を許して頂けるなら、どうかご自分をこそ。私の、国の、国王陛下のために手を汚さざるを得なかったご自分のことを、お許しになってください」
「ヘンリー……」

 太后様がはらはらと涙を流し、デールくんが歩み寄って肩を抱きます。

「……この先の話は、人を払ってからのほうが良いでしょう。兄上も、宜しいですか?」
「……ああ」

 ヘンリーの了解を受け、デールくんが改めて兵士さんたちに指示を出します。

「中枢の魔物は排除されたが、城内にはまだ残っている可能性がある。引き続き、捜索及び排除に当たれ」
「はっ」

 デールくんの指示に従って兵士さんたちは散って行き、文官のおじさんたちも慌ただしく動き始めます。

 人も減ったことだし、ヘンリーは家族でお話に向かうらしいので、その前に怪我を治しておこうと近付きます。

「ヘンリー。お疲れ様」

 王子様モードで引き締まったというか少々厳しい雰囲気を醸し出していたヘンリーが、私に向き直り柔らかく微笑みます。

「ドーラ。お前もな。お疲れ」
「私はそうでもないよ。後ろで、魔法使ってただけだし」
「それでも、あれだけ使ったら疲れるだろ」
「それなりにはね。でも、みんなほどじゃない」

 お互いに労い合いながら、ヘンリーを回復します。

「ドーラ。少し、話してくるが」
「うん。いってらっしゃい」
「……」
「十年ぶりだもんね。太后様ともデールくんとも、ちゃんと話さないといけないだろうから。ゆっくりしてきてね」
「……出来るだけ、早く戻る」
「いいよ、急がなくて」

 ヘンリーの回復を待っていたデールくんが、声をかけてきます。

「ドーラさんとマリアさん
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