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ゲルググSEED DESTINY
第六十六話 残骸の幕引き
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戦線を混乱させ、戦況を悪化させる可能性があったことを彼は知らない。
要するに、彼はいつも通り平常運転であったというだけの事だ。







「やはり駄目か……」

アガメムノン級の旗艦でジョゼフは連合が次々と討たれていく様を見ながらそう言葉を口にする。

「これ以上の接近は不可能でしょうな。このままでは直に戦線は瓦解します。どうされるおつもりで?」

この大部隊の指揮官も顔色を変えずにそういう。彼が顔色を変化させないのは軍人としての矜持というよりも、諦めからきているのだろう。とはいえ、何の抵抗も出来ないままに死ぬ気も起きない。せめて忌々しいあのコーディネーターの巣窟を一つだけでも潰してやろうではないか。そう思わせるような目つきでジョゼフに向けて視線が示される。

「核攻撃部隊、出撃せよ。この距離からでも構わん。核攻撃にて敵に少しでも被害を与えるのだ」

無策、無能と罵られようとも他に手立てはない。今下がれば敵にまともな被害すら与えられずに自軍だけ大きく削らされたと言う結果しか残らないのだ。核自体は迎撃されてもいい。ただ、こちらの戦力と同等、欲を言えばそれ以上の戦力を失わせればいいのだ。それならば核を散発的に或いは広範囲で放てばいい。

「MSが戦争を変えた。そして、そのMSという概念においてザフトは連合やその他の勢力と比べ一歩、いや二、三歩以上先に進んでいる。それは別にかまわない。だが、世界は優秀な兵器があるから勝ってきたのではない。あくまで兵器はただの道具だ。引き金を引く人間が、そして数がこの世界の戦争で勝利を与え続けてきたのだ。ならば、その先人たちを見習い、私は最後の意地というものを見せてくれる」

司令官のその言葉に周りの士官たちは察した。この戦争は我々の敗北しかないのだと。それでもなお、我々は戦い続け、敵に立ち向かわなくてはならないのだと。決して士気は高くなくとも、彼らは自分たちの上官について来たのだ。ならば立ち向かわなくてはならない。

「全部隊、攻撃開始。一機でも多く戦線を突破させるのだ!」

ウィンダムや旧式のダガーが現れ、突貫していく。自殺行為とも言える攻撃の数々。だが、逆に言ってしまえば敵の攻撃を無視してでも攻撃をすることによって敵の被害をより大きくする為の攻撃とも言える。

『特攻だと!?』

『狼狽えるな、核を撃ってくる気だ!ニュートロンスタンピーダー起動。敵の核が無意味だという事を教えてやれ!』

第一波の核攻撃は見事に迎撃される。出来る限り広範囲にばらけたつもりだったのだろうが、ザフトの猛攻によって移動する位置を絞られ、見事に誘い込まれたのだ。

「クッ、すぐに第二陣を準備させるんだ!」

「敵大型MA、来ます!」

「何だと!?接近を許すな!艦砲を全
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