暁 〜小説投稿サイト〜
札樽ラプソディー
 札樽ラプソディー
[5/6]

[1] [9] 最後 最初
がねえな」
とイヤフォンのついてるIPODを律子
に渡す。
× × ×
手を繋いで歩く律子と野積。
律子「この曲いいね」
野積「どれ聞かしてみ」
  律子は片方のイヤフォン野積につける。
律子「青を塗って白を塗って」
野積「一息ついてから最後に僕の気持ちを塗 
った」
と口ずさむ二人。

○タクシー・車内(夜)
  ラジオから流れる野狐禅・カモメ。
ラジオの声「空の絵を描いていたつもりが海
みたいになってしまってひらきなおって
カモメを描いた」
律子の頬を伝う涙。
赤川が運転しながら左手に持つティッシ
ュを防護盤の隙間から律子に差し出す。
律子「ありがとうございます」
ティッシュを受け取る律子。
赤川「もう六月って言うのに夜は冷えるよね」
鼻をすすりながら涙をティッシュで拭く
律子。
律子「すいません。とめてください」
赤川「えっ。まだ銭函だよ」
律子「いいんです。とめて」
車が減速してとまる。
赤川「お金ないならコンビに寄るよ」
律子「いいんです。開けてください」
  つり銭受けに代金を置く律子。
赤川「じゃあ、気をつけるんだよ」
ドアが開く。
律子がタクシーから出る。

○海沿いの幹線道路・歩道(夜)
海見ながら歩く律子。
律子「札樽間歩くなんてなんであんあバカし
たんだろ。若さってこえー」 
ポツポツとアスファルトに雨が落ちる。
律子「まじかよ。まっいか、こんぐらい」
× × ×
本降りの雨。
大型トラックがライトで律子を照らし、 
水をかけて通り過ぎる。
律子「ふざけんな。誰の仕業だ。かまってち
ゃんばっか聞いて書いてるあのバカヤロ
ウか」
と上を向いて叫ぶ。
× × ×
近づいてくるタクシーがライトで律子を
照らす。
振り向く律子。
律子「もう車くんなよ。あっ、蟹サンタクシ
  ー」
減速して止まるタクシー。
運転席の窓が開く。
赤川「早く乗れ」
ドアが開く
車に乗り込む律子。
ドアが閉まる。

○タクシー・車内
ラジオからファンキーモンキーベイビー 
ズ ちっぽけな勇気が流れる。
赤川「ほれ」
ジャンパーとタオルを防護盤の隙間から
差し出す。
受け取る律子。
動き出す車。
律子「私結婚するつもりだったのに寄生虫な
  んだってさ」
涙と雨のしずくがまざりがら下に落ちて
いく。
赤川「この歌最悪だよな。ねそうだろ、ねそ 
うだろって俺ら殺す気か。この催眠歌手」
と荒くラジオチューナーのボタンを押す。
天気情報が流れる。
上着を脱ぎタオルで水分をふき取る律子。
赤川「今日は晴れるでしょう。晴れ
[1] [9] 最後 最初


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ