札樽ラプソディー
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なぐあの
女が律子に近づいてくる。
野積「よう」
律子は煙を吐き出す。
女 「なんだこの女」
野積「荷物、小樽におくっといたから」
律子「は?」
野積「じゃあな」
野積たちは律子に背を向けて歩き出す。
律子「ボックスオールナイト決定」
○カラオケボックス・個室(夜)
中島みゆき・誕生を熱唱する律子。
ドアをノックする音。
律子「なんですか」
マイクで叫ぶ律子。
キーという音が室内に響く。
ドアが開き、男A(20)、男B(19)
が耳をふさぎながら部屋に入ってくる。
男A「ねえ、おねえさん。俺らも一緒に歌っ
ていいかな」
男B「いいとも」
と右拳を突き上げる。
依然、演奏が続いてる。
開いてるドアをノックする店員・佐々宗
孝(30)。
佐々「すいません。ドア開けっ放しは困るん
ですよ」
律子「私も困ってるんですよ」
佐々「そうですよね」
男B「はあ?」
顔を後ろに向け佐々を睨む男AとB。
佐々「あのう。お客様がお困りになってるの
で自室にお戻りください」
男A「俺らは孤独死しそうなおばさんをいた
わってただけ。言われなくても戻るよ」
律子「おばさんビーム」
とジョッキに入ってるウーロンハイをA
に向かってかけた。
男A「ババアこのやろ」
男B「あつしさん。正当防衛だ。やろう」
佐々が律子と男達の間に入る。
佐々「そういうのやめましょう。歌う場所な
んで」
男B「なんだこら?」
と睨みをきかしながらが佐々のむなぐら
を掴む。
佐々「さわんな。バカ」
佐々は男Bの手を外して、部屋の外に突
き飛ばす。
男A「おい。こら」
佐々に殴りかかる男A。
佐々「だっせえパンチ」
佐々はパンチかわして男Bをタックルで
倒す。
佐々「まだやる?」
男Aはすぐさま立ち上がりドアに向かう。
律子「くらえ。おばさんロック」
とジョッキに入ってる氷を取り出し男A
の背中にぶつける。
男Aは部屋を飛び出す。
佐々「やりすぎ」
演奏が止まる。
佐々は床に落ちた氷を拾い、テーブルの
下のゴミ箱に捨てる。
律子「これ使ってないから使って」
とおしぼりを佐々に渡す。
佐々「ありがとう」
律子「こちらこそ」
中島みゆき・誕生の演奏が再び始まる。
佐々「曲はじまったし、おれはこれで失礼し
ます」
とおしぼりを持ったまま部屋を出てドア
を閉める。
閉まったドアを見つめる律子。
律子「今晩添い寝してくんねえかな」
○すすきの交差点(夜)
交差点中央に立つ、時計塔の時計〈一二
時二二分〉。
路肩で手をあげる律子。
律子「全然とまんない。やっぱ朝まで
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