暁 〜小説投稿サイト〜
Element Magic Trinity
ルーシィ・ハートフィリア
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の人が・・・」
「それはもちろん、可愛い娘が家出をしたら探すでしょう。普通」
「しない!あの人はそんな事気にする人じゃない!」

断言した。即答だった。

「あたし絶対帰らないから!あんな家には帰らない!」
「おやおや、困ったお嬢様だ」

ジョゼが溜息まじりに呟く。

「今すぐあたしを解放して」
「それは出来ません」

ルーシィの申し出をジョゼは即答で却下する。
すると、ルーシィの表情に焦りが出始めた。

「てか、トイレ行きたいんだけど」
「これはまたずいぶん古典的な手ですね」
「いや・・・マジで・・・うぅ・・・助けて〜・・・」
「どうぞ」

そう言ってジョゼが指さしたのは、独房の隅に置かれたバケツだった。
かなり古い物の様で、潰れている箇所がある。

「ほほほ・・・古典ゆえに対処法も多いのですよ」
「バケツかぁ・・・」
「するんかいっ!」

もぞもぞとするルーシィにジョゼは驚く。
ただのハッタリだと思っていたのだろう。

「な、なんてはしたないお嬢様なんでしょう!そして私はジェントルメン!」

しばらく表情を変えた後、後ろを向くジョゼ。
それを見たルーシィはニヤリと笑う。
そして・・・。


「えいっ」
「ネパァーーーーーーー!」


なんと、男の急所を蹴りあげた。
これにはさすがの聖十のジョゼも倒れ込む。

「古典的な作戦もまだまだ捨てたもんじゃないわね。今度小説で使お♪」
「ぬぽぽぽぽぽぽ!」
「それじゃ!お大事に♪」

苦しむジョゼにウインクを1つの腰、ルーシィは出口に向かう。
・・・が、出口の前でピタッと足を止めた。

「え?」
「はは」

ルーシィの視線の先にあるのは、はるか遠くにある地面。
ここから落ちたら確実に死ぬだろう・・・ナツのように頑丈だったり、ルーやハッピーのように空が飛べたり、ティアの様に体が水にでも変えられたら話は別だろうが。

「残念だったねぇ・・・ここは空の牢獄・・・」

腰をトントン叩きながら起き上るジョゼ。

「よくも・・・やってくれましたねぇ・・・」
「う・・・」

前には聖十のジョゼ、後ろは断崖絶壁・・・逃げられる訳が無い。
自分に向かってくるジョゼが在りし日の父親と重なる。

「さぁ・・・こっちへ来なさい・・・お仕置きですよ・・・幽鬼(ファントム)の怖さを教えてやらねばなりませんね」

そう言ってジョゼは一歩一歩ルーシィに近づく。
すると、ルーシィは何かを決心したような表情になり・・・。




たんっと、飛び降りた。



「な!」

当然ジョゼは驚く。

(声が聞こえたんだ!絶対・・・いる!)

ルーシィは頭を下に真っ逆さまに落ちていく。

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