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lineage もうひとつの物語
序章
黒騎士
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か」

アレンはナターシャに身振りで止まるよう伝え振り返る。
顔は普通だがその背中からは汗が吹き出ている。
戦いになれば5人組からナターシャを守りきる自信はない。
アレンはナターシャの手をとりいつでも逃げ出せるようにする。
アレンは牽制するように言葉を出す

「何か用でしょうか?」

ブラックナイトはナターシャをランスで指し示しながら

「おまえではない。その女に用がある」

ナターシャが体を固くして震えているのが伝わってきた。
アレンはその手を強く握り

「どのような要件かその場で言ってもらいたい。」

「フードを取って顔を確認する。場合によっては拘束する。」

アレンは意味がわからなかった。
ナターシャの顔を確認する?確認してどうするのか。
こいつら慰みものにしようというのか。
馬鹿馬鹿しい。

「寝言は寝て言えよ。話が終わったなら行かせてもらう。」

「逆らうならおまえも危険分子として排除する。」

ブラックナイト隊がランスを構える。

迂闊に動けなくなった
ナターシャを先に逃がし隙を見て自分も逃げるしかないか

アレンは素早くブレイブポーションを飲み干し背中のツーハンドソードに手をかける。
すると

「まってください。」

ナターシャが一歩前に出てフードを取った。

「ほう、美しい。陛下に献上するか」

ブラックナイトは近付きながらナターシャを観察する。
アレンはいつでも飛び出せるよう剣から手を離すことなくブラックナイトを睨み付ける。
そしてナターシャの胸には紋章が刻まれたペンダントが揺れているのを見てとったブラックナイトは

「おまえは先代の娘ナタリシア!そこのナイトと共に国王の御前に引き出してくれる。」

冒険者から話には聞いたことがある。先代の善王の忘れ形見。その人物が旅だったと。
ナターシャがまさかの人物だったとは。
アレンは嬉しさで心が震えた。
自分が仕える主君を守護するために存在するナイト。
その主君に相応しい人物に旅立ち早々出会っていたとは!

「私はこのまま拘束を受けましょう。この方はお金で雇った護衛であり関係ありません。」

凛とした表情で述べ両手を差し出すナターシャは震えていた。

その微かに震える肩を持ち、手に小さな袋を握らせるとアレンは

「ナイトとして訓練した甲斐がありました。ナターシャは先に街で待っててください。」

ナターシャは首を振り否定する。

「俺の部屋の場所はわかりますよね?」

と小声で言うとブラックナイトに斬りかかる!
こいつらをここで食い止めねばナターシャに、いや、国に未来はない!
ナターシャはアレンを止めようと手を伸ばすが届かない。

「だめーー!」

拘束し
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