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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十五話:王子の帰還
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后様の執務室に向かいます。
昨日と同様、王様の使いを名乗ればあっさりと中に通され、今日も忙しく政務に励む太后様がこちらに気付かないうちに、何気なく近くに歩み寄ります。
十分に近付いたところで太后様が顔を上げ、ヘンリーの姿を認めてはっとします。
「其方……!……何用じゃ。如何にモンスター使いが珍しくとも、連日となれば。話すことも、用向きも
妾
(
わらわ
)
には無い。立ち去るが良い」
一瞬動揺を見せるもすぐに態度を取り繕い、突き放す太后様。
冷たい態度を崩さない太后様にヘンリーが微笑みかけ、はっきりとよく通る声で答えます。
「太后陛下。……いえ、義母上。そのような演技は、もう必要ありません。先王が長子にして現王デール陛下の兄、ヘンリー。義母上との
お
(
・
)
約
(
・
)
束
(
・
)
通
(
・
)
り
(
・
)
、只今戻りました」
突然名乗りを上げたヘンリーに周囲がざわめき、太后様が顔色を変えます。
「な……!!何を、馬鹿な……!!」
「ピエール!頼む!」
「承知した!」
動揺して立ち上がる太后様が何事か言おうとするのを遮るように、声を張り上げたヘンリーの合図に応じてピエールが動き、部屋の入り口側に陣取る魔物たち(人間に擬態)に向けてラーの鏡をかざします。
鏡に真実の姿が映し出されると同時に、魔物たちの擬態が解けて正体が晒され、突然目の前に現れた魔物の姿に太后様を取り巻いていた人間たちから悲鳴が上がります。
「な、なんだ!?何故、魔物が!!」
「た、助けてくれ!!」
「狼狽えるな!我が国を蝕む魔の物は、国王陛下と太后陛下のご命令により、王兄ヘンリーと仲間たちが討つ!皆の者、下がれ!」
ヘンリーの宣言を待つまでも無く攻撃を仕掛けていた仲間たちに続いてヘンリーも敵に向かい、未だ動揺の収まらない人間たちの前には私が立ちはだかります。
焦って無理に逃げ出そうとされても困るので、とにかく落ち着いて貰おうと、敵から目は離さずおじさんたちに背を向けたままですが、私も声をかけます。
「皆さん!聞いての通りです!魔物からは、私がお守りします!どうか落ち着いて、下がっていてください!」
「そ、そんな……!いきなり、言われても……!」
「あんなにたくさん、魔物がいるのに!やはり、逃げたほうが」
逃げられる隙間なんて、どう見ても無いでしょうに。
私たちならともかく、碌に鍛えもしてない文官のおじさんたちが、逃げられるわけが無いんですが。
動揺してるのはわかるけど、私も説得だけに集中できないのに。
と少々イラつきながらも説得を続けようとした私が口を開く前に、凛とした声が響き渡ります。
「みなさん!落ち着いてください!」
マリアさんです。
私の背後に立ち、お
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