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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十五話:王子の帰還
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、どうかお気を付けて」
「ありがとうございます、陛下」
「どうぞ、デールとお呼びください」
「はい。デール様」
微笑み、礼を取って一歩下がるマリアさん。
マリアさんも、若いのにしっかりしてるなあ。
やっぱり奴隷とか経験したからだろうか。
信じた教団が実は魔物の巣窟で、奴隷を(見た目上)酷使していたなんていう、世界の裏というか闇の部分にも触れてしまってるわけでもあるし。
……こんなに美人でしっかりしたマリアさんが、シスターとして独身を貫くだなんて、勿体無い……。
特に甘い雰囲気とか無かったが、王妃様ルートとか無いだろうか。
ゲーム通りにデールくんが独身主義だったら、ハナから無理だが。
と勝手に他人の恋愛ルートを妄想しながらも当然そんなことは口に出さずに、マリアさんに声をかけます。
「マリアさん。そこまで考えて頂いているとは思いませんでした。でもどうか、無理はしないでくださいね。貴女も、他のみなさんも。私たちが、必ず守りますから」
奴隷労働の時に怪我させてしまったことが、かなり引っ掛かってるのでね。
この上また怪我させるだなんて、とんでも無いですよ!
しかもそれが、おっさんたちを守るためとか!コドランじゃないけど!
とにかく、怪我なんてさせないから!!
という決意を込めて告げた私に、マリアさんがまた嬉しそうに頬を赤らめて答えます。
「ありがとうございます。頼りにしていますけれど、ドーラさんこそ無理はなさらないでくださいね。またヘンリーさんたちが、心配されますから。もちろん、私も」
うーん。
心配は、まあされるだろうけど。
でも私が怪我する状況ってよっぽどだし、それはもう仕方ないと思うんだよね!
まあ、ちょっと怪我するくらいなら死ぬわけじゃ無いし。
すぐ治せるし、大丈夫、大丈夫。
とか思いながらもやっぱり口には出さず、なんとなく微笑み返します。
このイケメン兄弟にも動じない美女を「ぽっ……」とさせるとか、やはり私のニコポ
力
(
りょく
)
だかイケメン
力
(
りょく
)
だかは半端ないなんてことも思いながら。
見詰め合い微笑み合う私とマリアさんの様子に、なぜかデールくんまで「ぽっ……」となってるようですが。
微妙な顔をしたヘンリーが、和やかな空気を断ち切るように口を開きます。
「……いつまでも、話し込んでても仕方ないな。積もる話は後にしよう。もう、行くぞ」
マリアさんとデールくんがはっとなり、デールくんが答えます。
「そうですね。では、兄上も、みなさんも。どうか、お気を付けて。ご武運を」
「ああ。行ってくる」
先に立って進むヘンリーに仲間たちが続き、最後に私とマリアさんが着いて、玉座の間を後にして太
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