旅立ち
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いぶん山の中に入ったもんだ
桃香の所を離れてから暫く経ち、気の向くまま旅をしていた
道行く商人から噂話や世間話を聞いて情報収集する
そして気になった噂の場所を片っ端から調べて回る
特に得体の知れない建物や神隠しが起こった等
まぁ端から見れば眉唾な事なんだがな
で今回も人伝の噂話を真に受けた結果…遭難したわけで…
「まぁ別に大した事じゃあない」
ついつい独り言を呟いてしまった
そんな簡単に手がかりが見つかる訳がないよな
枯れ木にライターで火を着けて焚き火にする
先ほど調査ついでに取った魚を適当にさばいて枝を刺す
後は火の周りに魚を刺せば本日の晩飯の完成っと
パチパチと枝が音をたている
森独特の湿った匂いと漆黒の闇が辺りを支配していた
暫くすると魚が良い焼き加減になり食べ頃だ
グゥと腹の虫も鳴いているので手に取り食べようとした矢先
遠くからドタドタと足音が聞こえてきた
まぁ…だからなんだと言う事なので積極的に関わる必要もない
あまり気にしないで魚をほうばっていた
「やはり美味い!焼き加減も最…「避けてっ!」
ピュンと鼻先を矢が掠めていく
手に持っていた魚は地面に落ちてしまった
こんな暗い森の中で明かりが見えたら良くも悪くも何かが寄ってきてしまう
暁の目の前にこれまた場違いな美女が走りこんできた
チャイナドレスの様な服装をしている…まだ若いな
倒木に座りながら微動だにせず冷静に闖入者の分析をしていた
それから間を置かずにドカドカと身なりの汚い男共がなだれ込んできた
「もう逃げられねぇぜ?このアマ!」
「散々手を焼かしやがって…」
「たっぷり可愛がってやる!」
汚い男が口々に汚い事を言っている
「其処の貴方、私が時間を稼ぐから逃げなさいっ!」
チャイナドレスの女が俺に向かって言っている
左足を庇うように立っているのを見ると怪我してんのか?
晩飯を残飯にされたしな…落とし前をつけて貰うか
「よう…嬢ちゃん下がってな」
「え?」
「食い物の怨みはな…恐ろしいんだよっ」
今まで座っていた倒木を持ち上げて賊の方に向けて投げつけた
もの凄い勢いで賊を数人巻き込みながら吹き飛んでいく
ギャっと短い悲鳴を上げ闇に消えた
何が起こっているのか理解出来ていない賊をよそに
一気に距離を縮めた暁の振りかぶった右ストレート
先頭の男の顔が吹き飛び、頭部を失った身体を遠心力を利用し投げつける
後ろ数人の男は骸が直撃しその場に倒れる
倒れた男の所へ飛び掛かり重力に導かれるまま踏み潰した
悲鳴にもならない声を上げ圧死すると右後方の死角から刀を振りかざしてくる奴がいた
とっさに手短な刀を手に持つと叩きつける様に横に振る
刃もまともに研がれていない粗末な剣だが力任
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