第16話 第二次アルフォルト星域会戦
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「チャンスだ! 戦闘艇を出して一気にたたみかけろ!」
銀河帝国軍の180°回頭を見たバドエルは即座にそう叫ぶ。
「(これで決着をつけれればいいが……まず無理だろうな)」
バドエルの予想通り、オットー、ゴシェット、ガーシュインの3個艦隊は少なくない損害を出しながらも全軍の反転に成功。
兵力が元々多かったのと、オリアス、バドエル艦隊も万全の態勢で無かった(左右に展開するため回頭中の部隊が多々あった)のが幸いした。
だが……
「頭を完全に抑えられました!」
オリアス、バドエルは銀河帝国軍の先頭に砲火を集中させ、銀河帝国軍の頭を完全に抑えた。
「反撃だ、撃ち返せ!」
「このままで終われるものか!!」
銀河帝国軍も負けじと反撃する。
この段階で両者の兵力は拮抗していたが、銀河帝国軍は先の反転中に中級指揮官が何名も戦死していたため、指揮系統において連合軍よりも脆弱であった。
そして、その点を突かぬオリアスとバドエルではない。
指揮系統の脆弱なところをピンポイントで砲撃し、傷口の穴を徐々に広めていく。
このまま連合軍が押し切るか……と誰もが思った、その時。
「天頂方向より敵艦隊急襲!」
「何!?」
それはジャラール艦隊と交戦中である筈のクナップシュタイン艦隊であった。
なぜクナップシュタイン艦隊がこの場にいるのかという疑問については、連合軍の中央突破後、マリナ艦隊はそのまま本隊に合流せずジャラール艦隊の後背を突いたことに端を発している。
これによってジャラール艦隊はカルナップ、マリナ両艦隊を相手取ることになり、態勢の立て直しを終えたクナップシュタインはその場を両艦隊に任せて本隊の救援に向かったのであった。
「レオーネ・バドエルゥゥゥゥゥゥ!!」
劣勢な味方を救い、また亡きグリルパルツァーの仇を討たんとクナップシュタインはバドエル艦隊に突撃する。
「こいつはヤバイな……」
「ユリアヌス隊を回しますか?」
「ああ、そうしてくれ。ラミンの分艦隊だけじゃあれを防ぐのは厳しいだろうからな」
「しかし、それでも一時凌ぎにしかならないでしょう。敵の数が多すぎます」
「分かっている、カルツ隊に例の作戦を実行するよう伝えてくれ」
「例の作戦というと……アルファーニ宰相閣下が考えられた作戦のことですか?」
「そうだ、この状況を打開するにはそれしかねえ」
バドエルの命令から15分後。
突如、銀河帝国軍の背後に10000隻規模の艦隊反応が現れる。
「後方に敵艦隊反応!!」
銀河帝国軍の艦隊司令官たちは、それが欺瞞であると即座に見抜いた。
だが、全軍に与えた動揺は大きかった。
その隙を、バドエルたちは逃さない。
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