第16話 第二次アルフォルト星域会戦
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戦況がまたも変化したのは、13時27分のことである。
「ふふ、残念ながらそうはいかないのよね」
連合軍が総攻撃をかけている間にマリナは艦隊を大きく迂回させ、連合軍の背後に回り込んでいた。
また、混乱を収拾したガーシュイン艦隊がバドエル艦隊への攻撃を再開し、カルナップ艦隊もクナップシュタイン艦隊への増援に駆けつける。
「突撃だ! このまま敵を殲滅しろ!」
カルナップ大将の怒号の下、カルナップ艦隊はジャラール艦隊に突撃を開始する。
「カルナップ提督か、ありがたい。今の内に退いて態勢を立て直すんだ」
元々、ジャラール艦隊とクナップシュタイン艦隊は数において互角である。
そこにカルナップ艦隊8000が加わった今、ジャラール艦隊は兵力において大幅に劣勢となった。
オリアス艦隊は優勢とはいえ背後を取られた状態であるし、バドエル艦隊も2倍の敵と戦っているため、いつまでも優勢ではいられない。
時が経つにつれ銀河帝国軍が態勢を立て直せば、戦況は一瞬で逆転するだろう。
ここにきて、兵力差という銀河帝国軍の数的優位が効果を表し出していた。
無論、連合軍とてそのようなことは分かっている。
バドエル艦隊の旗艦ザッフィーロでもそれに関する会話が行われていた。
「閣下、このまま悪戯に時間を消費すれば我々は窮地に陥りますぞ」
「右翼の防備を固めながらゴシェット艦隊への攻撃を続行しろ。あと少しで敵は崩れる」
バドエルは、ガーシュイン艦隊からの攻撃をユリアヌス分艦隊に防がせながらひたすらにゴシェット艦隊を攻撃し、崩れるのを待った。
そして、遂にその時は来た。
「ゴシェット艦隊、崩れました!」
「オリアス艦隊もオットー艦隊を崩した模様、敵中央は全面崩壊です!」
「よし、ここは突破だ。全艦突入!」
オリアス、バドエル艦隊は銀河帝国軍の中央へと突入する。
マリナ艦隊が追い縋ってきたものの味方との同士討ちを恐れて無理な攻撃は出来ず、結果としてオリアス、バドエル艦隊は中央突破に成功した。
一方、中央突破を許してしまった銀河帝国軍は窮地に陥っていた。
「敵に中央を突破されました!」
「敵艦隊、後方で左右に展開」
「くっ…………。全艦180°回頭、反転して敵の攻撃に備えろ!」
「で、ですが敵前回頭は」
「我々が前進して逃れれば、敵は孤立したクナップシュタイン、カルナップ艦隊を袋叩きにするだろう。ここは堪えるしかないのだ!!」
それは苦渋の決断であった。
何も好んで敵前回頭(それも180°の)などしたいわけではない。
彼らには(クナップシュタイン、カルナップ両艦隊の)見殺しか敵前回頭による大損害かの2択しか選択肢は無かったのである。
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