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シャワールーム
第三章

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第三章

 しかしそれを隠してだ。ここは彼女に頷いたのであった。
「わかりました」
「それでは」
「そういうことだね」
 前迫の言葉は追い払う様なものだった。
「さっさと行って下さい、調べる場所は他にもあるでしょうし」
「はい、それでは」
「これで」6
 二人はこう話してだ。そのうえで今は女子寮を後にしたのだ。
 二人は今は校舎の中にいた。そうしてである。
 そのうえでだ。二人で話をしていた。今は校舎の中を歩き回っている。
「間違いないですね」
「そうだな。あの女だ」
 まずは本郷が言った。そして役は彼のその言葉に頷いていた。
「あの女が犯人だ」
「ええ、間違いありません」
「ここには、と言った」
 役が指摘したのはこのことだった。
「知っているということだ。失踪した女生徒達のことをだ」
「そういうことですね。ただ」
「ただ?」
「証拠は女子寮にはない」
 それは言うのだった。
「間違いない」
「しかし何処かにありますね」
「そうだ、証拠はある」
 役は断言していた。今二人は学校の裏にいる。緑の木々が周りにあり人気はない。そして向こうにはプレハブの粗末な小屋があった。 
 役はそれを見てだ。本郷に話した。
「本郷君」
「はい」
「あれをどう思う」
「あの小屋ですか」
「どうやら今はもう使われていないな」
「ええ、そうですね」
 それを聞いてだ。本郷も静かに頷く。
「その通りですね」
「傍から見ればな」
 ここで役は言葉を付け加えた。
「そう見える」
「しかし実際は」
「少し見てみるか」
 役はここでだ。一枚の札を取り出した。黄色い札である。
 それを投げるとだ。札は黄色い小鬼になった。それが小屋の中に入ったのだ。
 暫くしてからだ。役は言った。
「成程な」
「証拠発見ですね」
「そうだ、あの中だ」
 その小屋の中だというのだった。
「間違いない」
「怪しい場所に怪しいものがあった」
 本郷は役の言葉を受けて述べた。
「そういうことですね」
「そうなる。だがかなり面白い趣向になっている」
「面白い、ですか」
「確かに小屋にその証拠はある」
 まずはこのことを話した。
「しかしそれでもだ」
「それでもですか」
「小屋の中にはない」
 こう言うのだった。言葉は相反するものになっていた。しかしここでまた話すのだった。
「その下にある」
「下にですか」
「まずは中に入ろう」
 それからだった。そのうえでだった。
 二人は小屋の前に来た。そのうえで本郷が刀を出して小屋の扉を断ち切った。その小屋の中はがらんどうで何もなかった。何一つとしてだ。

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