第二章
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もありませんね」
「本当にな」
「ここには何もありませんよ」
前迫はまた不機嫌な声で二人に言ってきたのだった。
「ここにはね」
「ここには、ですか」
役の眉がだ。ぴくりと動いた。
本郷もである。二人は彼女の今の言葉からあることを悟ったのだ。
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