第一章 護れなかった少年
第十四話 第一層ボス編 前編
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った。
理由としては、事前に綿密な作戦会議をしていたこと、ここまでずっと楽勝ムードが続いていたこと、そして頼るべきディアベルさんが一撃でHPを半分以下に減らされ、スタンしていること、それらの理由が複合し、C隊以外の全員の体を縛ったのだ。エギルさんやキバオウさん、キリトやアスナさん、僕たちなど、例外なく。
そしてその静寂の中、コボルトロードが超大技を出した後の硬直時間から回復した。
「追撃が......」
キリトのその声で我に戻り、駆け出す。
なんとしてもC隊を助けなければならない。一人でも死んでしまったら指揮ががた落ちだし、個人的にも誰も死なせたくない。
と同時に前線で、エギルさん達も援護に駆け出す。
が、間に合わなかった。
「ウグルォッ!!」
コボルトロードが短く吼え、両手で握った刀......いや、野太刀(かな?)は床すれすれの軌道から高く切り上げられる。
ソードスキル《浮舟》。狙われたのはディアベルさんだった。
そして銀色の金属鎧を着込んだ体が木の葉のように空に浮く。
と、狼に似た巨大な口がどう猛に笑った。
やられた!
瞬時に思う。
浮舟はスキルコンボ開始の合図なのだ。
と......言うことは......。
そこで野太刀の刀身を再度赤いライトエフェクトが包み込む。
「ディアベルさん! 体を丸めて!!」
急いで叫んだが、どうやら聞こえなかったらしく、ディアベルさんが空中で長剣を振りかぶり反撃のソードスキルを撃とうとする。が、システムはそれをスキルの開始モーションとは判定しなかった。空しくも剣をかざすだけになってしまったディアベルさんを野太刀が正面から襲う。
上、下の連撃から一拍溜めて突き。《トロワジエム》に似た感じの三連撃技、確か名前は《緋扇》だったはず。
そしてそのディアベルさんは、二十m近くも吹き飛ばされレイドメンバーの頭上を越え、最後方でセンチネルの相手をしていたキリトの近くに落ちる。
クソッ!
「キリト! ディアベルさんを任せた!!」
と、キリトから親指を立てるサインが帰ってくる。
そしてそのまま走ってC隊の所まで進む。
緋扇の硬直が解けたら次狙われるのは彼らだろうし、今の間に助ける。
と、後ろの方からカシャァァァァン、と破砕音が響いた。
......プレイヤーの死亡エフェクトだ。
恐らくディアベルさんだろう。
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