第一章 護れなかった少年
第十四話 第一層ボス編 前編
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や。
しょうが無いのでキリトの方に向かおうとボスから視線を外そうとするが、その瞬間にコボルトロードが骨斧と盾を投げ捨てたため、外せず、横目で眺める。
コボルトロードは右手を腰の後ろに持って行き、タルワールを引き抜く。
ここからはもう曲刀カテゴリの技しか使わない。バーサク状態なのが少し怖いが、対処そのものは今までよりやりやすい。
理由は使う技が直線長距離の縦斬り技ばかりだからだ。技発動時のモーションだけ見ていれば、ボスに張り付いたままでも回避は簡単だ。
そしてディアベルさんの指示で、C隊の六人がコボルトロードを取り囲む。
横殴りの攻撃があった骨斧では出来ないフォーメーションだが、今のコボルトロードにはかなり相性がいい。
あとはあの六人でタルワールの振り下ろしを避けつつ斬りまくってトドメまで......?
あれ? 何か僕が見てたコボルトロードと違和感がある気がする。
違和感の元はあのタルワール。
あれ、本当にタルワールなの?
細くやや湾曲して伸びる刃。
細いと言っても、アスナさんが持つような細剣ほどでは無く、キリトの持つ片手用直剣よりは細い。
そして、光沢。
アレは、僕の持っている曲刀とは明らかに違う輝き。
洗練された輝き。
その瞬間、答えがわかった。
「あ......あ......」
驚きで声が出ない。
アレは曲刀なんかじゃない......刀だ!!
その瞬間に目一杯息を吸い込み、どうにか叫ぶ。
「だ......ダメだ、下がれ! 全力で後ろに跳べーーーーッ!!」
「それは曲刀じゃない!全力で後ろに下がって!!」
と、どうやらキリトも気づいてたらしく、僕よりコンマ一秒ほど早く叫んでいた。
が、その二つの声はコボルトロードが始動させたソードスキルのサウンドエフェクトにかき消されてしまう。
コボルトロードの巨体がどうっと地面を揺るがせ垂直に跳ぶ。空中でギリリと体を捻り、武器に威力を溜める。
そして落下すると同時に蓄積された力が竜巻のごとく放たれる。
軌道、水平。攻撃角度、360°。
刀専用ソードスキル、重範囲攻撃《旋車》。
迸った六つのライトエフェクトは鮮やかに赤く、まるで血柱のように見えた。
そして視界左に表示されるC隊の平均HPが一気に五割を下回って、イエローに染まる。
さらに六人の頭の上で回転するおぼろげな黄色い光が取り巻いている。
一時的行動不能状態――スタンしているのだ。
SAO内でのバッドステータスの中で麻痺や盲目ほど怖い物では無い。効果時間せいぜい十秒。しかし、発動が即時なため、すぐにスイッチして、タゲを取らなければならないのだが、動ける物が一人もいなか
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