月ニ叢雲 花ニ風
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オバースト)!」
そして言った通り容赦なく銃弾を放つ。
それに対し、シュランは右手をルーとアルカの方に向けた。
「・・・水流の蛇」
その瞬間、シュランの右手から髪の色と同じローズピンクの魔法陣が展開し、水色の鱗を持った蛇が銃弾に向かって宙を走る。
いや、正確には蛇ではなく、蛇のような模様なのだが。
2つは真っ直ぐにぶつかり、小規模の爆発を起こし、両方とも散った。
「銃弾が!」
「よそ見などしている場合ですか?」
「っ!しまっ・・・」
「雷撃の蛇」
今度は金色の蛇模様がアルカに向かって走る。
完全に無防備でガラ空きだった背後からの攻撃の戸惑い銃を構えるが、その銃に銃弾1発分の魔力が集まるのと蛇模様がアルカに直撃するの、どちらが早いかは火を見るよりも明らかだった。
「ヤベッ・・・!」
そう。
明らか『だった』のだ。
「大空大猿!」
が、蛇模様はアルカに当たる前に、風で構成された猿によって吹き飛ばされる。
当然、この魔法を発動させたのは。
「ルー!」
「ふぅ・・・リオンの魔法を見様見真似でやってみたけど、何とか完成したみたいだね」
こんな状況だというのに、あの呑気すぎる笑みが崩れる事はない。
一種の天才とも言えるだろう。
「で?それが本気か?火竜」
「安心しろよ、ただのあいさつだ。竜のケンカの前のな」
2人が睨み合う。
・・・と同時に、突如ギルドが揺れ始めた。
「!」
「な、何だ!?」
「地震!?」
当然驚き戸惑うファントムの魔導士達。
それに対し、妖精の尻尾のメンバーはこの地震がなぜ起こっているか・・・否、『誰が起こしているか』気づいているようだ。
「あーあ・・・」
「やべーな、これぁ・・・」
「な、な・・・何がだよ!?」
ルーとグレイの呟きにファントムの1人が問いかける。
その男がマカオに似ており、マカオ本人も「似てる!」と思ったのは余談だ。
「これはマスター・マカロフの『怒り』よ。巨人の逆鱗・・・もはや誰にも止められないわ」
「ひ、ひぃ!」
「ウソだろ!?ギルド全体が震えて・・・」
ティアの淡々とした声が響く。
それにファントムの魔導士達は怯える。
マスターの怒りでこれ程になるという事にも驚いているが・・・何より、それを言うティアが全く感情を込めていない瞳で射抜くようにこっちを見ている事にも恐怖を抱いているのだ。
「それが漢、マスター・マカロフ。覚悟しろよ。マスターがいる限り、俺達に負けはない」
一方その頃、こちらは最上階。
「ジョゼぇ・・・」
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