#1 開幕
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ため息が出そうなほど雲ひとつないG県T市の夏の空。
坪倉春弥は、愛川菊介と下校途中だった。
外では太陽がじりじりと照りつけ、アブラゼミの鳴き声が夏の太陽を更に熱く感じさせる。
溶けかけのアイスをくわえ、春弥が何気なく空を見上げる。
「今日も暑いな...どうにかならんのかね。なあ、菊介よぉ〜」
そういうと春弥は菊介の方を見る。
すると菊介も空を見上げる。
「さあね。...そんなことよりさあ」
「ん?」
菊介が空を見上げながら言うと、春弥は菊介の話に耳を貸す。
「今日って日食の日なの?」
「はぁ?んなわけねえだろ。もしそうだったらニュースでも取り上げるだろ」
「だよな。でもさ。太陽が欠けてるように見えるんだよなあ、僕」
菊介がそういうと、春弥も太陽の様子が気になり空を見上げる。
すると、太陽が若干だが欠けていた。
「あれ?今日日食だったか。サングラスとかないかな」
春弥はそういうとかばんの中をあさり始めた。
あわてる春弥の様子を見て、菊介はため息をつく。
「大体日食はサングラスで見ちゃいけないし、第一サングラスは校則で禁止されてるでしょ?一応アクセサリーだしさ」
「そ、そうだったか。あはは」
春弥はそういうと照れくさそうに頭をかいてかばんを閉じる。
しかしそんなテレくさそうな春弥を無視して菊介は空を見上げる。
「おい!てめー、日食は裸眼でみたらいかんのだぞ!菊介!」
「いや、これ...日食じゃなさそうだね。ほら」
そういうと菊介は空をあごで指す。
春弥はそれを見て空を見上げる。すると、空には何か巨大なものが迫っていた。
「な、なんだありゃあ...なんか降ってきてるぜ!まずいんじゃねえのか?」
「そうだね...とにかく逃げた方がよさそうだ」
菊介はクールにそういう。彼はどんな窮地に立たされても平然とした態度でいることができる。そういう性格なのだ。
「さすが菊介っていいてえところだがよお。そんなこといってる場合か!?早くにげねえとよお!!」
春弥はそういって菊介の肩をゆする。しかし反応はない。
「おい!!!無視してんじゃねえぞコラァ!!!こっち向きやがれ!」
そういって無理やり菊介を自分の方に振り向かせる。
すると、菊介の表情は凍りついていた。
「ははっ...もう無理だって...いや、幻覚かな...だって誰も気づいてないんだぜ...俺らにしか見えていないんだぜ...」
菊介は不自然に口角を上げ、その場に座り込む。そしてそのまま立ち上がろうとはしなかった。
そうしているうちに隕石はも
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