奮闘記
第三次忍界大戦
2話 第三次忍界大戦U
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<土の国 国境付近・山林>
時刻は夜、静かな林の中を走る2つの人影があった。
一人は、夜の闇に溶け込んでしまいそうな漆黒の髪を後ろで一つに纏め、頭上に輝く月が暗闇に淡く光る白い肌を照らしていた。
その少年の後ろに率いられた影、少しクセがある少年と同じ黒髪を風に揺らしながら走る、夕日紅。
その身を包む忍び装束は、特に露出をしているわけでもないというのに歳に似合わない色気を滲ませていた。
ヒュッ・・
2つの人影は、一抱え程もある太い幹のある木の上に飛び乗り、寄り添う様に並ぶ。
「さて・・・ここが報告のあった地点だな・・。」
九十九は周囲の地形を確認すると、敵の位置を確認する為、紅に指示を出す。
「紅・・・。」
「はい、秋人さん。」
紅は、九十九の言葉に返事をすると印を結んだ。
――忍法・遠眼鏡の術
この術は、一時的に日向の白眼のような物体の透視を持つ、数百メートル先を見通す視力を得る。
習得難易度はS級であるこの術を紅は会得していた。
「見つけました。A地点に4人、C地点に1人です。」
数分後、紅が報告をしてくるのと同時に九十九は通信機を別行動を取る熊手に伝える。
「予定通りです。作戦はAプランのまま続行します、いいですね?」
「あぁ。」「・・・大丈夫です。」
無線機から聞こえる低い男の声と、傍らにいる少女が答えた。
だが、九十九は少女の瞳が僅かに揺れているのに気づくと、報告の終わった無線機を切り、紅の頭をゆっくりと撫でた。
「あっ・・・」
「大丈夫ですよ、紅、必ず皆生きて帰れます。」
紅は自分の頭を撫でる、九十九の顔を見上げ静かに頷くと顔を前に向けた。
その顔を見つめ、九十九は再度無線機を熊手に繋げた。
「それでは、行動を開始します、散っ!!」
その瞬間、確かにそこにあった影は消え、後には木の葉が舞っていた。
◆◇◆
ぱちっ・・
深い山の中、冷たい山風が吹き込む、岩隠れの額宛を身につけた4つの影が焚き火に照らされ、ゆらゆらと揺れていた。
「あぁ、くぞさむいなぁ」
焚き火を囲む影の一つ、不精髭を生やした男が呟いた。
「いわねぇでください、余計に寒くなりまさぁ。」
不精髭の男に答えるように、やせ型の男が答える、無言だが他の2人も同意見なのか不精髭の男を睨む。
不精髭の男は降参だと言わんばかりに両手を上げる。
その時、
がさっ・・
「「「「っ!」」」」
近くの茂みから音がなり、4人はすぐさま戦闘態勢に移る。
4人の視線の先には、女が立っていた。
「あぁ、よかった。私、夫と共に遭難してしまいまして人里
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