暁 〜小説投稿サイト〜
ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十四話:それぞれの役目
[3/4]
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
待ちかねたように玉座から立ち上がります。
「兄上!お待ちしていました!それで、鏡は」
「ああ。取ってきた」
「本当に、あったのですね……!良かった、これで被害を少しでも抑えることが出来ます!それで、この後ですが」
「ああ。俺たちは、このまま義母上のところに向かう。お前は、ここで待て」
「……はい」
少し間を置きながらもヘンリーの言葉に頷き、悔しそうに俯くデールくん。
その姿を真っ直ぐに見据え、ヘンリーが言葉を続けます。
「デール。わかっていると思うが」
「はい。僕の役目は、兄上のように前に立って戦うことではありませんね。国王として何としても生き残り、戦いが済んだ後に全てを収めること。……元々、自分で奴らを排除出来る程の力を持たないからこそ、これまで助けを待つしか無かったのですから。今も僕に出来るのは、待つことでしかありません」
俯いたまま無力感を噛み締めるように言うデールくんに、更にヘンリーが言葉を続けます。
「そうだ。国王が一介の戦士や兵士のように、自らの身を危険に晒して戦う必要は無い。戦いが終わったその先にあることこそ、お前にしか出来ないことだ。今は、守られるのがお前の仕事だ。魔物のことは、俺たちに任せろ。その先のことは、頼む」
デールくんが顔を上げ、ヘンリーを見詰め返します。
「……兄上。その先は……」
「言うな。俺は、国王には相応しく無い」
「……そうでしょうか」
「そうだ。俺は、この国のことを第一には考えられない」
「……兄上。それは……」
しばしヘンリーの瞳を物問いたげに見詰めた後、なぜかこちらを見てくるデールくん。
え?なんですか?
私に、ヘンリーを説得しろとでも?
この国の王位とか別に私に関係無いし、兄弟二人で話し合って決めればいいと思うんですけれども。
見たところ、どっちもそれなりに出来そうではあるし。
どっちが頭でももう片方が支えるんだろうから、どっちが王でも実質関係無い気もするし。
そんなことを思いつつ黙ってる私からデールくんがまたヘンリーに視線を戻し、諦めたように微笑みます。
「……わかりました。王位のことは、それでもいいです。元々、十年前から覚悟していたことですから。ただ……後で少し、話をさせてください。この十年のことも、この先のことも」
「……わかった」
よくわかりませんが、なんだか話がまとまったようです。
……まあ、十年前の時点で洗脳工作はほぼ完了していたわけだし。
兄弟だけで通じ合う、何かがあったんだろう!
一人納得する私を他所に、デールくんが今度はマリアさんに視線を向けます。
「ところで、そちらの女性は?見たところ、荒事に向くような方では無いようですが」
「ああ。こちら
[8]
前話
[1]
次
[9]
前
最後
最初
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ