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ドラクエX主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
二部:絶世傾世イケメン美女青年期
九十四話:それぞれの役目
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馬車に入ってもらい、魔物を倒しつつ南の祠に到着して。
マリアさんとコドランも馬車から降りて旅の扉を抜けて、ラインハット城内に戻ります。
「こんな抜け道を使えるだなんて……。ヘンリーさんは本当に、この国の王子様だったのですね。気軽にお話ししてしまって、まずかったでしょうか」
城内の豪華な内装を見回しながら、マリアさんが気後れしたように呟きます。
ここは、そんなことないよ!的なフォローを当人がすべきところであろうに、またヘンリーが特に反応しないので。
仕方ないので、私がそれらしくフォローしてみます。
「そうですね……。もう王宮に入りましたし、ここからはヘンリー様とお呼びしたほうがいいかもしれませんね。勿論、私も」
常識的に考えて、本人が言うのでなければそっち側だよね!
別にいいよとか、私が許可する権利なんて無いからね!
真面目くさった私の提案に、マリアさんも神妙に頷きます。
「やはり、そうですよね」
「あ、でも。まだ、正体を明かすわけにはいきませんから。やはり、名前自体を呼ばない方向で」
「わかりました」
「おい。待て」
ヘンリーがとうとう口を挟んできました。
後から文句を付けるくらいなら、初めから自分で言えばいいのに。
「なんでそうなる。よくある名前なんだから、普通に呼ぶなら問題無いだろ。いいよ、今まで通りで。この先も」
「あ、そう。ならいいね、今まで通りで。マリアさんも」
もうちょっと弄ってみてもいいんですが、そんな場合でも無いし。
引っ張り過ぎてこの先の具体的な話なんて進められた日にはヤブヘビもいいところなので、この辺でやめておきます。
軽く返す私の態度から冗談であったことは伝わったようで、マリアさんも緊張が解けた様子で微笑みます。
「お二人は本当に、仲がよろしいですね。わかりました。それなら私も、そのようにします」
「ヘンリー様!なーんて、似合わねーよな!おいらもそう呼ばなきゃいけないかと思ったよ、よかったー」
コドランも話に加わり、茶化してきます。
王子様ぶってる時はそれなりだし、似合わないってことも無いとは思いますが。
まあ、今さらではあるよね。
という感じに、妙な緊張感を滲ませることも無く、和やかな雰囲気を保って国王デールくんの待つ玉座の間にたどり着きます。
衛兵さんがヘンリーに目を留め、声をかけてきます。
「貴方は!陛下より、お話は伺っております。どうぞお通りください」
ヘンリーの正体や詳しい事情まで知ってる風ではありませんが、何らかの説明は受けていたようですぐに御前に通され、デールくんの指示を待つまでも無く速やかに衛兵さんたちが退出して行きます。
デールくんが、
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