六十 鬼人VS怪人
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うがいい。他の復讐者に迷惑だ」
「てめえに何がわかるっ!?」
「わからないさ。でもね、」
憤るサスケに、ナルトは一度穏やかな眼差しを注いだ。直後、自虐的な笑みを浮かべる。
「俺もある意味、復讐者だから」
儚くも決然たる言葉。それにサスケ同様イタチもまた、一瞬息を呑んだ。ナルトはサスケから目を逸らして、鋭い視線をイタチに向ける。
「サスケに自分の理想を押し付けるな。人間、そう易々と割り切れるものじゃない」
「…………」
ナルトの言いたい事を推し量り、イタチの眉間の皺が深くなる。怪訝な顔をするサスケの隣で、ナルトは言葉を続けた。
「才能に恵まれた者はそれだけ目をつけられやすい。現に今、大蛇丸が狙っている」
「……その証拠は?」
「首筋を見てみろ。大蛇丸の置き土産がある」
ようやく口を開いたイタチの目がサスケの首筋に留まる。「【呪印】か…」と苦々しげに零したイタチの一言に、驚いたサスケが目を見開いた。ナルトとイタチの会話に耳を傾ける。
「大蛇丸の次に可能性があるのは、貴方の真の目的である男だ」
「…確かにその可能性はある。だがその前に俺が決着をつける」
「そんな簡単にいくわけがないと、貴方が一番理解しているだろうに」
その発言に、イタチは一瞬ぐっと詰まった。ややあってナルトに目を向ける。
その瞳に宿るのは、懇願。
「俺が無理でも、君がいる」
「面白いことを言うね」
肩を竦める。イタチの言葉に苦笑を洩らし、それからすぐに、真摯な眼差しでナルトはイタチを見据えた。
「大体、他人任せとはイタチ…貴方らしくない。忍びである限り死は隣り合わせだ。貴方も、そして俺も…」
「…そう。そうだったな。その通りだ」
何を今更、とイタチは嘆息を零した。あの青い双眸に見据えられるといつも調子が狂う。昔から頭が上がらないな、とイタチは内心自嘲した。
「だからこそ後悔しない生き方をしたほうがいい。忍びとして貴方は立派だ。だけどあまりにも…」
「あまりにも?」
「…いいや。とにかく今話さないと後悔する。彼はもう子どもでも、貴方の大事な弟でもない」
そこでナルトは言葉を切った。頭を冷やしたサスケがようやく自分の事を話しているのだと理解した時、彼は改めて口を開いた。
「イタチ…貴方と同じ、忍びだ」
イタチの目が大きく見開かれる。見た目こそ変わらぬものの、心中では逡巡していると、ナルトは敏感に察していた。
「もしそれでも頑なに自身をサスケに憎ませるというのなら、俺にも考えがあるぞ」
すっと冷めた表情を浮かべる。穏やかな顔から一転したナルトに、サスケが無意識に一歩退いた。
「聴覚視覚といった五感の遮断に幻術の二重結界。この結界内なら本音を言い合える」
実は己の姿が見えぬよう
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