第四十七話 俺はロリコンじゃない!
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爵夫人も閣下の事を嫌っていないと思った」
「……」
なるほどな、段々分かってきた。まあ続きを聞こうか。
「お互いに嫌っていないのに離婚した。貴族達はお二人の離婚は偽装離婚ではないかと疑っているのです」
溜息が出た。何を考えている……。
「つまり離婚した理由は私が皇族と婚姻関係を結びたがっているからだという事ですか。伯爵夫人もそれに協力していると」
俺が答えるとヒルダが“その通りです”と言って頷いた。
「皇帝エルウィン・ヨーゼフ二世陛下を廃しフロイライン・シュテルンビルト、フロイライン・ノルトリヒトのどちらかを女帝とする。そして私は女帝夫君として帝国を支配する。伯爵夫人が爵位、領地を返還されたのはそれへの協力に対する代償という事ですか、馬鹿馬鹿しい」
ウンザリした。俺はエルウィン・ヨーゼフ二世を廃立する、だが皇帝になるときは自らの力で皇帝になる、ゴールデンバウムの血など必要としていない。ゴールデンバウムの血に頼ればそれだけ旧勢力に配慮しなければならなくなる。それでは内乱に勝ち残った意味が無い。俺がシュテルンビルト、ノルトリヒトを優遇するのは国内統治に役立てるためだ。
「御不快になるのは承知の上で申し上げます。一部には結婚後、伯爵夫人を愛人とされるのではという声も有るのです」
「馬鹿な! 度し難いにも程が有る!」
貴族ってのは血にしか関心が無いのか? それしか誇るものが無いのか……。ルドルフの馬鹿が血に拘るからだ、だから貴族達も血に拘っている。
罵ってばかりもいられないな、アンネローゼとの離婚はタイミングが悪かった。連中の価値観からすれば俺の行動は疑ってしかるべきものだったのだ。また溜息が出た。権力者って結婚どころか離婚するのも自由にならないんだな、まったくウンザリする……。
「アンスバッハ准将、シュトライト准将。もうお分かりかと思いますが私の離婚はあくまで私個人の問題です。シュテルンビルト、ノルトリヒト両子爵家には関係ありません。そちらとの約束を違えることは有りません。両子爵夫人にはそう御伝えしてください」
俺が答えるとアンスバッハとシュトライトが恐縮したような表情で頷いた……。
帝国暦 488年 10月 7日 オーディン ヴァレンシュタイン元帥府 ヴァレリー・リン・フィッツシモンズ
アンスバッハ、シュトライト准将が帰った後、最高司令官閣下はまた決裁作業に戻った。でも明らかに最高司令官は怒っている、ムッとしながらサインをしている。まあ怒りの対象は私やフロイライン・マリーンドルフにじゃなくて貴族達に対してだから気にすることは無いんだけど……。でもちょっと気不味い、それに空気がとっても重い。
確かに皆不思議に思っている、離婚した奥さんに手厚すぎるって。最高司令官はベーネミュン
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