第四十七話 俺はロリコンじゃない!
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婚されたのが原因です」
「……」
そんなの当り前だろう。結婚してれば出るはずもない話だ。俺が知りたいのは何でその話が急に出てきたのかだ。もう少し分かり易く言え! ヒルダに視線を当てた。彼女がちょっと気まずそうな表情を見せた。
「皆が不審に思っています。多くの貴族達が財産を取り上げられ追放される中、奥様だけが爵位、所領を戻されています」
「当たり前の事でしょう、爵位、所領の返上は私が下賜の条件として受け入れさせたのです。言ってみれば私の不当な要求だった。結婚を解消した以上、彼女の身分、財産は旧に戻すのが筋です。それと彼女はもう私の妻じゃない、グリューネワルト伯爵夫人と呼びなさい」
「申し訳ありません」
俺が注意するとヒルダが頭を下げた。
胸を張って言えるぞ、俺はやましい事はしていない。領地だってそんな多くは無かった。ラインハルトの事を想ってだろうが無欲で害のない女に徹していたようだ。本人の性格も有るだろうがな。大体それが何で俺がエリザベート、サビーネと結婚したがっているという事になるんだ?
「それと閣下は伯爵夫人に資金の援助もされています」
「援助じゃありません、慰謝料を払ったのです。それにあれは私の預金から彼女に譲ったもの、帝国政府が彼女に払ったわけではない。公私混同などしていませんし依怙贔屓もしていませんよ」
「もちろん、それは分かっています」
慌てたようにヒルダが答えた。段々不愉快になって来たな、一体何が言いたいんだ? はっきり言え! 怒鳴りつけてやろうか。
「貴族達の多くは閣下が上から押付けられた伯爵夫人を離縁した、そう思っていました。爵位、所領、それに資金の援助も伯爵夫人が離婚の条件としてそれを望んだと思っていたのです」
「馬鹿馬鹿しい、彼女はそんな人間じゃない!」
反吐が出そうだ、馬鹿共が何を考えている。向かっ腹が立ったがヴァレリーが“閣下”と声をかけてきたので慌てて抑えた。いかん、少し興奮したか。皆、気不味そうな表情をしている。
「それで、どうしたのです、フロイライン」
俺が先を促すとヒルダが“はい”と小さな声で答えた。なんだかな、俺ってそんなに暴君か?
「先日のパーティーで閣下はヴェストパーレ男爵夫人、シャフハウゼン子爵夫人とグリューネワルト伯爵夫人の事をお話になられました」
「……」
話したよ、必要以上に彼女の立場を悪くさせることは無いからな。喧嘩別れしたんじゃないって周囲には教えておかないと。いかん、赤のショルダーバックを想い出した。そしてセピア色の後ろ姿……。ここは元帥府の執務室だ、宰相府の執務室じゃない! 想い出すな!
「その事でお二人が喧嘩別れしたのではない、閣下は今でも伯爵夫人に好意を持っている、貴族達はそう思ったのです。そしてヴェストパーレ男爵夫人達の応対から伯
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