第五十話〜新たな誓いと歩み〜
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と、なのはは我慢せずに涙を流した。
「わた……し…の……せいで…ライ君………が……ヴィヴィオ…も…………私、守るって………やく……そく…した…のに」
しゃくり上げながら彼女は気にしていたことを口にする。
ティアナとの一件以来、彼女は他人に泣き言を言うようになっていた。流石にどんな人でもというわけではないが、幼馴染であるフェイトとはやてには自分の気持ちを素直に言えるようにしていた。
泣きながら独白するなのはをフェイトは優しく抱きしめる。そして慰めるように、そして自分にも言い聞かせるように言葉を送る。
「なのは、ライもヴィヴィオもきっと生きてるよ。生きてる証拠はないけど、信じてあげないと」
「でも……約束…」
「その約束はまだ続いてるよ!この事件が終わって、皆が揃って、皆が笑い合って、それで今度は守り切ることを誓い合おう!」
フェイトの言葉は次第に大きくなっていく。そしてそれに呼応されるようにフェイトはその瞳に強い光を宿す。
「……」
フェイトは言いたいことを告げて、なのはを見る。彼女は未だに、叱られることに怯える子供の様に泣いていた。泣き続けるなのはの目にフェイトは優しく手を添える。
「今はゆっくり休んで、なのは」
なのはは自分に添えられたフェイトの手の温もりを感じながら、その意識をゆっくりと沈める事となった。
スカリエッティアジト
交渉が終了し、要求したデータを手に入れ、ライはここからいつでも出られるようなっていた。
何故まだ出て行かないかというと、ライの要求の1つであるルーテシアの解放に戸惑ったからである。と言っても、準備をするのは彼女自身ではなく、彼女の母親にあった。
ルーテシアの母親であるメガーヌ・アルピーノは過去の事件で重傷を負い、ジェイルの手によって回収されていた。そして回収された後、治療を受け、いつでも回復できるところまで来ていたのだが、ルーテシアを利用するためにジェイルはメガーヌを眠らせ続けていたのである。
だが、今回のライの取引により、彼女は最後まで治療され、いつ目を覚ましても良い状態になることになっていた。
そして、それも数分前に終わり、ここから出て行くライに付いていくことを希望したルーテシアは今、車椅子に座り眠るメガーヌと共にアジトの出入り口でライが来るのを待っていた。
その出入り口の少し離れた通路でライはジェイルと最後の会話をしていた。
「君が要求した事は概ね実行した。今度は君の番だよ」
「ああ、約束は守る」
『犯罪者相手に言う言葉ではないな』と内心苦笑しながら、ライはジェイルに背を向けた。そして立ち去ろうとした所にジェイルは最後の質問をライに投げかける。
「おっと、1つ聞き忘れた。君は何故
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