第五十話〜新たな誓いと歩み〜
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程にその副産物はライにとって重要かつ危険なものなのである。
「次元世界間の移動がどの程度のエネルギーや技術を必要とするかは知らないが、平行世界間の移動はCの世界を利用することで可能になる」
「ほう」
ライの言葉にジェイルは科学者としての興味と興奮を表す表情を見せる。
「元の世界でCの世界で眠っていた頃、僕は夢として自分自身の様々な可能性を見た」
ライは数多く遺跡と接触した時に、Cの世界の様々な意識の中に自分がブリタニア軍に所属していた場合の世界、戦うことを選ばずにアッシュフォード学園の生徒として生活を続ける世界などの可能性世界を知るをしていた。
そしてそれを知ることでライは知ったのだ。Cの世界は自分がいた世界だけでなく、世界という枠組みを超えた無限の意識が集う場所であると。
「僕は知った。世界は隣り合って確かに存在していると。そしてその世界は意識を通じて繋がっている」
ここまで言うことでジェイルもライが言いたいことを概ね理解する。
「ただの人間がその無限の意識の中を通ることは絶対にできない。無限の意識を受け止めきるなんて愚行を行って、人間の精神が持つはずがないのだから」
「なるほど――君はその意識の流入を制御、若しくは受け止めきる方法を知っているのか」
ジェイルが興奮気味に言葉を引き継ぐ。その答えにライは敢えて否定も肯定もしなかった。何故ならライをこの世界に送ったのはC.C.であるから、彼女がどの様にして自分を送ったのかは知らないからだ。
「繋がっている世界間のパイプをその集合無意識だとすると、元の世界にあった遺跡はそのパイプの出入り口だ」
「なら、君が現れたゆりかごの部屋は――」
「元の世界の遺跡と同じ。Cの世界のへの入口だ」
機動六課・仮設隊舎
日が落ち静けさを纏う海が月の光で照らされ始める頃、彼女――高町なのはは使えなくなった隊舎の代わり、仮設隊舎の屋上にいた。
「………」
どこか焦点の定まっていない目を海に向けて、彼女は屋上に備え付けの手すりに体を預けていた。
彼女のいる仮設隊舎は、半壊した隊舎のすぐ横に建てられている。その為、なのはの視界には今も重ねられて残っている、隊舎の瓦礫が映った。
「……っ」
それを見ているとライが崩落に巻き込まれる光景が脳裏を過ぎった。それは苦しみとなってなのはの胸を締め付ける。彼女はそれに耐えるために自分の唇をキツく噛んだ。
「なのは」
ガチャリという音と共に名前を呼ばれ、咄嗟になのはは沈んだ表情を振り払う。そして呼ばれた方に振り向くとそこには幼い頃からの幼なじみであるフェイトが立っていた。
「フェイト…ちゃん……」
声をかけたのがフェイトと分かる
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