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IS 〜インフィニット・ストラトス〜 日常を奪い去られた少年
第13話
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なら失礼にならない。いや、失礼だけどさ。

「俊吾君、今日は大変だったわね〜」

色々と考えているとニヤニヤしながら楯無が近づいてきていた。

「……半分は楯無さんのせいな気もしますけどね」

「だってみんなの反応が面白いだもの」

「悪びれないんすか…………。全く、俺じゃなかったら怒ってるところです」

「俊吾君だからあんな風に遊んだのよ」

「そんな信頼はいりません」

「そうは言いながらも、俊吾君は結局、私を助けてくれるじゃない。私、そういうところ大好きよ」

…………何か、反応に困る言い方されたなぁ。まぁ、返しは決まってるんですけど。

「そんな都合よく好きになられても困ります。利用されるだけ利用される結末が見えてるじゃないですか、そのセリフに」

「あら、バレちゃった?」

てへっと言いながら楯無はウインクした。

全く、この人は……。俺で遊ぶのも大概にしてほしい……。

「でも、俊吾君が好きってのはホントよ?」

「…………はい?」

…………それって普通に親愛とか友情とか利用しやすいとか、そういった感じですよね〜。…………一瞬、マジかと思ったのは内緒。

「だって俊吾君、文句言いながらも私を助けてくれるじゃない。簪ちゃんのことだって、この前のことだって」

「あれは成り行きですよ。結果、成功しただけでどっちも賭けに近かったじゃないですか」

「でも、成功させるために俊吾君は努力して、あの結果になったじゃない。今日だって、ある程度は計算してたんでしょ?」

「いや、まぁ…………計算というか……信じたというか」

「え?」

「いや、楯無さんにしろ簪にしろ、二人共仲直りをしたいって思いながら過ごしていたわけですし、ああいう機会があって、二人共仲直りしようと努力したわけですし。その…………何というか……この二人なら絶対仲直りできるって確信があったんですよ。だから……信じたというか、何というか……」

あー、何か言ってて自分でも分からなくなった……。と言うか、変なこと言ってないかな。そっちが心配だ。

「……ふふ」

楯無は微笑むように笑った。そして、俊吾に向かって言った。

「やっぱり、俊吾君のそういう所、大好き」

そういった顔はどこか、暖かい笑みに包まれていて、魅力的だった。ほんの数秒だが、俊吾も見惚れていて、すぐに我に返る。そして、楯無に何か言おうとするとちょうどIS学園駅に着いた。そのせいで、何も言えないまま、電車での出来事は終わった。

◇   ◆   ◇   ◆

「…………疲れた」

部屋に着くなり、俊吾はベットにダイブした。疲れたというのが大半だが、今は楯無の電車での言葉が心に引っかかっていた。

…………まぁ、
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