第四十三話 クラスではその六
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「冬服はそれで洗ったから」
「そうしたのね」
「琴乃ちゃんはどうしてるの?」
「あっ、私もね」
冬服はクリーニングに出したというのだ。
「あと時々でもアイロンかけてね」
「几帳面ね」
「几帳面っていうとそうでもないけれど」
琴乃は自分では結構ズボラな方だと思っている、母がいつも真面目に家事をしているからだ。それでこう思っているのだ。
「それでもアイロンかけたら綺麗になるじゃない」
「だからなのね」
「そうなの、綺麗にしてるの」
そうしているというのだ。
「時々でもね」
「アイロンあてるのっていいのよ」
ここでまた言って来た里香だった、それは何故かというと。
「服がぴしってなるし消毒にもなるし」
「ああ、熱消毒な」
「そうなの、それでなの」
その方面でもいいというのだ、里香は美優にこのことも話した。
「アイロンはいいの」
「だよな、まあアイロンなんて滅多にかけないけれどな」
「自衛隊だったらいつもみたいだけれどね」
「ああ、江田島で海自の人そんなこと言ってたよな」
「毎日毎日必死でアイロン当ててるってね」
「お話してたよな」
「そうだったわよね」
このことは五人だけでなく合宿に参加した文化系の部活の面々全員が聞いている、自衛隊特に海上自衛隊幹部候補生学校ではアイロンがけは常ということをだ。
「服にちょっと皺があったら再チェックって」
「それって滅茶苦茶厳しいよな」
「あそこはそういうところみたいだから」
とにかく厳しいというのだ、江田島は。
「多分服もね」
「清潔なんだな」
「ちょっとしたことで洗濯するみたいだから」
そうしなくてはやっていけない場所だということである。
「もうかなりね」
「学校とは全然違うんだな、うちの」
「特別な学校だからね」
兵学校の頃からである、とにかく江田島は特別な場所なのだ。
「あそこだけはね」
「厳しくか」
「見て聞いたお話だとね。それでゆるキャラも」
話はこのことに戻った、運動会で着ることになるこちらのだ。
「やっぱり着る前に洗濯とかするのかどうか」
「部長さん達に聞いてみる?」
彩夏はアキレス腱を伸ばしながら里香に返す。
「そうする?」
「その方がいいわよね」
「衛生的にもね」
こうして五人は部活の休み時間に部長に実際にこのことを聞いた、すると部長もはっとした顔になってこう言った。
「そうよね、そのまま着るとね」
「不潔ですよね」
「やっぱり」
「そうよね。私も彼氏・・・・・・いえお友達に聞いたけれど」
部長は自分の失言に気付いてすぐに言葉を訂正させた。その時顔を真っ赤にさせてしどろもどろになってもいた。
「あのね、あまり洗っていないとね」
「病気ですよね」
「それになりますよね」
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