小覇王の母親
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まるのは滅多にない。
それこそ、雨などの天候くらいで泊まる感じだ。
何でも、自然と一体になって寝食をすれば氣が落ち着いて体に良いらしい。
氣というのは人間の体に流れるエネルギーらしい。
この時代では氣を扱う者がいるらしく、師匠もある程度なら操る事ができるらしい。
俺はその話を聞いた時、ドラ○ンボールを一番に想像した。
もしかしたら、氣をマスターしたら空を飛べたりするのか?
その夜、たき火を挟んで向こうにいる師匠に、結構真剣な表情で聞いた。
「師匠。」
「何だ?」
きのこなどを木の棒でくし刺したのをたき火であぶっている。
そのきのこが焼けているのか確認しながら、俺の話を聞いてくれている。
「氣を扱える事ができたら、空を飛べますか?」
その言葉を聞いて師匠の手がピタリ、と止まる。
そして、ゆっくりと俺の顔を見つめる。
あっ、この顔。
絶対に俺を馬鹿にしている。
何を言っているんだ、こいつは?、と言った感じの視線を向けつつ師匠は言った。
「寝言は寝てから言え。
そんなのが出来る訳ないだろうが、阿呆。」
心底呆れたような表情を浮かべて、そう言った。
(ですよねー。)
俺は心の中でそう思いながら、焼けたきのこを食べだした。
食事を終えた後、師匠は2メートルくらいの木の棒を持って立ち上がる。
「さて、少しの間だけでも修業をするぞ。
まずは、縁の実力がどれほどのモノか見せてもらう。」
「はい、師匠。」
月明かりが照らす中、俺は木刀を持ち、いつも通りの構えをとる。
剣道で基本的な構え、正眼の構えだ。
師匠は今までこの構えをとる人物は出会った事ないのか、俺の構えを見て若干眉をひそめる。
「行きます。」
俺は一声かけ、師匠に接近して面を打つ。
真っ直ぐ振り下ろさせる一撃を師匠は簡単に受け止める。
俺は次の攻撃に移ろうと思った時だった。
次の瞬間には俺の手に木刀がなかった。
「え?」
と、呟いた瞬間俺の額に師匠の鋭い突きを喰らい、後ろに倒れながら意識を失った。
「う・・・・ううう。」
俺はゆっくりと目を開ける。
途端に額に鋭い痛みを感じた。
額を押えつつ、上半身だけ起き上がる。
目の前では師匠が座禅を組んでいた。
俺が起き上がると同時に、師匠も目を開ける。
まだ、夜の所を見るとそう時間は経っていないかもしれない。
「起きたか。」
「はい、何がどうなって。」
「お前が私に斬りかかってそれを受け止めた瞬間に、木刀を弾き飛ばしたんだ。
その後は分かるな。」
俺は無言で頷く。
てか、分かっていたけど師匠は強い。
突きは速すぎて何が何だか状態。
木刀を弾いたのだって気がつかなかった。
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